後期高齢者医療制度を傍観しないで!!
ここのところ、「後期高齢者医療制度」についてやっとマスコミもいろいろと論議している。遅い。そもそも、ほとんどの国民がいつかお世話になる医療のことを、国会において「強行採決」で決めたこと自体、とても失礼な話だ。そもそも、あの自民党が圧勝した衆議院選挙は、「郵政民営化」が是か否かを問うものであるとしていた。時の小泉総理はそう宣伝をし、それに乗せられた国民が圧倒的な支持をした。そのような投票行動をとった国民が馬鹿だといえばそれまでだけど。
そうして圧勝した国会において、本当にたくさんのことが強行採決された。郵政とはまったく関係のない法案が。それにはとても大切なことが含まれていた。教育基本法、憲法改定につながる国民投票法、そしてこの後期高齢者医療制度も。ほとんど論議されることもなく、国民の多くに知らされることもなく、強行採決で通ってしまった法案だ。
これは、単にお年寄りにその金銭的負担を求めるということだけに問題があるのではない。それだって、これまて゜息子の扶養に入っていて保険料を負担しなかった人だって、今度は自分の年金から天引きされるようになる。それも、一体、いくらの年金をもらっているひとから、徴収するのかご存知だろうか。
月に一万五千円以上の年金をもらっている人から徴収されてしまうのだ。介護保険とあわせて、ほぼ一万円の天引きである。一万五千円から一万円の天引きなのだ。それも、今後高齢者が増え、若者が減るに連れて、高齢者自身から徴収する金額はどんどんと、二年に一回上がるという。上限、年間五十万円まで。
それに、これはマスコミがほとんど報道しない、意図的にふれないようにしているのかもしれないが、大変な問題は、「かかりつけ医」の制度である。後期高齢者は、かかりつけ医を決め、そこにかかることになる。もし、ほかの科の受診をするなら、それはかかりつけ医の紹介、指示を受けなければならない。
眼科とか、耳鼻科とか、婦人科とか、かってに行ってはいけなくなるのだ。要するに、高齢者が自由に医療を受けることを制限しようとするものなのだ。このかかりつけ医の制度には、また、さまざまな問題、医療費が包括されるとか、かかりつけ医の人数を制限されるだとか、いろいろな問題もあるのだが。私は、年齢によって、このような医療の制限をしようとする後期高齢者医療制度というのは、本当にとんでもない制度であると思う。
どうか、皆様方、この制度を傍観しないで、しっかりことの重大性を見据えてほしい。必ず自分自身にかかってくることなのだから。

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コメント
働けない、税金を払わない、
そんな人は、国民じゃないという制度ですね。
弱者の切捨て。
でも、それでも自民党や民主党に投票するのですから。
いつかは誰もが通る道なのに、今じゃないから関係ないと無関心でいる。
マスコミでさえ敵にまわしてでも、国民のために政治をする人や政党は現れないのでしょうかね?
命に関ることより、道路を作るための税金を重要視する報道なんかを見ると、
未だに、橋や建物は人柱で作られているように感じます。
投稿: やんじ | 2008年4月 6日 (日) 19時01分
こんにちは。
後期高齢者医療制度のことでは、shiozyさんのところでも熱く語ってしまいました。
お年寄りに厳しい制度だと思います。
ともかく国民からなんとかお金を取ろうとする意図が見え見えです。
今までの老人保健の制度のときより75歳以上の方の保険料負担が多くなりそうです。
保険者も、被保険者が減少しその分保険料が入ってこなくなるのに、国に差し出す負担金は今まで通りになりそうです。
若い人にも、後期高齢者支援金という保険料がかかるようになります。
国以外は、みんな負担が増えるのではと思います。
制度もぎりぎりまで具体的なことが決まりませんでした。現場は大混乱です。
私たちも、おかしいことにはおかしいと声に出さないといけないと思います。
投稿: いつも見ています | 2008年4月 7日 (月) 00時36分
最近の特集記事を読んで私は初めて知り、その酷さに心底腹を立てています。ワーキングプアの特集で出ていた「年金だけでは暮らせず空き缶を拾って生活していた80すぎの人」を思い出します。この人たちをまだいじめるのでしょうか!昭和の最も大変な時代、この国を支えてくれた、「国家」に翻弄されたこの世代の人たちにまだ仕打をするのでしょうか!
一定の期間天引きを猶予するなどというのは、その間に早く死になさいと言っているようなもの。年金だけで十分に暮らせている人がどれだけいると思っているのでしょうか。許せない。
投稿: おとぎぞうし竹本 | 2008年4月 7日 (月) 07時42分
河野先生、広島ではお世話になりました。
名古屋のネットカフェからブログを拝見しております。
「後期高齢者医療制度」が聞こえが悪いから、「長寿」が良いとか総理はおっしゃていますが、そんな聞こえがどうとかいう枝葉のことよりも制度そのものが本当に良いものなのかを真剣に考えて頂きたいです。
私の父や母も「後期」の世代となりました。
だから、人事ではないのです。
また、私も必ずその時がくるのだから傍観せず、しっかりと見据えていきたいと思っています。
これからも、この件については時々、触れて下さいね。大変、勉強になりますので・・・・・
投稿: Masa | 2008年4月 7日 (月) 14時25分
はじめまして、ちょこちょこ見させていただいています。
色んな法案が可決されていますが、個人的に一番の問題はやっぱりあの選挙で何も考えず投票した国民なんじゃないか…と最近よく思います。
テレビしか見ない層では、マスコミに取り上げられるような法案や事例にしか興味を持ちませんし…。
私は医学生なのですが、後期高齢者医療制度についても自分の将来の問題として興味を持っています。もっと多くの人に、マスコミに取り上げられないようなことも知って欲しいですね…。
投稿: みやび | 2008年4月 7日 (月) 16時03分
「いつも見ています」さんからいただいたコメントを、こちらに転載しようと思って来てみれば、ご本人が居られました。(笑)
「年金天引き」は、はっきり言って「国家の詐欺」です。
投稿: shiozy | 2008年4月 7日 (月) 17時05分
やんじさま
本当にそうですね。特にこんな法律を作ったお役人や強行採決をした国会議員の人たちは、自分自身の将来に不安がないのでしょうね。それに、弱い立場の人たちに対してのやさしさも持たず、想像力を働かせることもできないのでしょう。でも、いろいろと調べてみると、やはりこのような主張をしている人たちは議員さんの中にもいらっしゃるのです。これからは、マイナーな政党の人たちの言うことにも、ちゃんと耳をかたむけなければ、と思います。自民か民主か、だけではないということですね。だから、私も落っこちた?のだと思います。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年4月 8日 (火) 11時45分
いつも見ていますさま
コメント、ありがとうございます。このような立場の方で、主張してくださるというのは、とてもありがたいことです。またいろいろと教えてくださいませ。みんなが自分の知った範囲で情報を公開していくことが大切だと思います。これまで、あまりに無関心なままですごしている人たちが多すぎるのではないかと思います。自分たちの問題なのだから、ちゃんと見続けなければ、と思います。有賀とうございます。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年4月 8日 (火) 11時50分
おとぎぞうし竹本さま
本当にそのとおりです。この国、どんどんと弱者切捨てになっていっています。何とかしなければ。それにしても、この問題、ほんとうに国民に知られないままに、どんどんとすすめられていたのですね。うかつでした。これからはちゃんと国会を見据えましょう。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年4月 8日 (火) 11時52分
Masaさま
お元気ですか。名古屋はいかがですか。そうですね、Masaさまのご両親も当てはまるのですね。どうぞ、これについて、お声をかけてあげてくださいせ。気分ほ害していらっしゃるかも知れませんし、よく意味がわからないかも知れません。また、名古屋発のコメント、お持ちします。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年4月 8日 (火) 11時55分
みやびさま
私もあの投票行動は異常だったと思います。小泉戦略にまんまと引っかかってしまった、多くの国民の責任でもあります。でも、まさかここまで強行採決の連続というひきょうなことをするとは思いませんでした。
医学生なのですね。どうぞ、いつまでも、病んだ人、弱い立場にある人たちに思いをはせることができる医師になられますように。これからも、時々覗いてくださいね。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年4月 8日 (火) 12時01分
sHiozyさま
「いつも見ています」さまのコメントはとても助かります。私たちにはわからないことがいっぱいあります。その意味で自由に情報を発信できるネットというのは、いいですねえ。もっとも、危険な側面もありますが。昨日書いた、「障害者は65才から75才以上といっしよにする」という、これ、すごいですよね。障害者自立支援法といい、これといい、障害をお持ちの方は踏んだりけったりだと思います。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年4月 8日 (火) 12時08分
小泉純一郎さんで思い出したのかほぼ同一期間在任した三次市長。
高齢者福祉なぞ枯れ木に水のようなものとあるところで言い放ちました。
子育て休暇充実や田舎の古臭い因襲を打破した功績はなしとはしませんが根底に暖かさが欠けていました。
見事に今回落選しました。あまりにセンスが悪い意味で都会的というのもありますが、皆さん付いていけなかったのでしょう。
徳のないまつりごとはいつかは因果がまわります。
そう確信するしかありません。
投稿: さとうしゅういち | 2008年4月10日 (木) 17時30分
始めまして、私は高校生の時、学校の授業で先生を拝見したものです。
ある方からこのサイトを教えてもらいココに着ました。
今、私は、38になりました。
先生の言われていること私も同感です。
今の政治・国会の会議自体馬鹿しい、単なるいいのがれ、嘘ばかり、日本が人がおかしくなってきたと思います。
何か、根元が腐ってきているように思えてなりません。
投稿: ごまちゃん | 2008年4月13日 (日) 22時33分
さとうしゅういちさま
そんな発言があったなんて。このたび、落選してもらってよかったです。確かに、お父上は、人権や平和に一生懸命に取り組まれた方なのですよね。うーん、親子であまりの違いに呆然ですね。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年4月14日 (月) 00時38分
ごまちゃんさま
コメント、ありがとうございます。いっぱい怒りの記事を書いてきましたが、これからも続いて書くつもりです。どうぞ、時々は覗いてくださいね。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2008年4月14日 (月) 00時40分
今回の投稿を拝見して
・費用負担増
・医療機関を選択する自由が毀損される
の二点が高齢者にとっての問題として提起されているのだと感じました。
個人的な感想として、後者に関しては非常に問題があるとは思うのですが、費用負担増に関しては、このタイミングで費用負担を増やすことで、長期的な視点で考えると、"更に年金受給額が減るであろう将来世代"に起こり得た、"現在の高齢者よりも更に苛烈な負担増"というものを軽減できたのではと考えます。
むしろこのような制度をもっと早く始めて医療財政の状況を改善していれば、現在の高齢者が毎月約一万円もの負担を強いられる必要は無かったのかもしれないと思います。
税金の使い方を改善することが最も良い方法ではありますが現実的ではないと思います。その前提を考えると今回の施策は将来世代への医療費負担持ち越しをしない現実的な策だと思っております。
医療費財政の詳しい状況を心得ていない為、的外れな意見となっているかもしれませんが、一人の若者の意見として投稿させていただきました。
投稿: やすお | 2008年4月15日 (火) 22時11分
私の母も後期高齢者医療制度の適合者です。今回の混乱は、完璧に『公務員感覚』のなしえる業です。一言で言えば...
プロバイダー(公務員):『今度こうなりました。はい終わり』
顧客(国民):『え゜~~っ!!!』
民間では、こんなシチュエーションはありえない(断言)。
(国民に食わせてもらっているのに)国民に雇われている自覚ゼロ。そのアホ達に媚売ってるリーダー達(自民党員)も、(国民に食わせてもらっているのに)国民を幸せにする自覚ゼロ。これだけ長い間政権党に居ると、公務員感覚が支配し、思考力ゼロになるんだね。
早く国民側から『度重なる政権交代』の揺さぶりを掛け、政界にはびこる不純物(アホ議員)を取り除いていかなければいけない。
投稿: 風の便り | 2008年4月16日 (水) 02時58分
後期高齢者医療制度は、ほんとにひどいと思います。高齢者が医療費が嵩むのは、当たり前ですから…
私は、高齢者に経済的負担を掛ける前に、無駄な税金の使い方をはっきりさせて、年金も、きちんとした金額を渡して…等先にすることがあるのではないかと思います。
それに、かかりつけ医… 患者さんだけでなく、病院も破綻しますね、きっと。赤字になろうと、患者さんを受け入れないわけにはいかないですから…
こんな制度… 今すぐ辞めるべきです。高齢者に優しい日本にすべきです。ただ、財源を確保しないといけないのは確かなので、もし、究極は、みんなが負担できる、消費税を上げればいいと思います。
この考え方おかしいですか?!
投稿: らら | 2008年4月19日 (土) 12時17分
後期医療制度について、みんな批判しすぎです。
扶養に入れるひとなら月1千円ていどではないでしょうか。これくらいは負担すべきです。年金からの天引きも年金額の半分以上を天引きすることはありません。結局医療の費用をだれかがふたんしなければいけないのいです。収入の少ない若者が負担するほうが問題ではないですか?最終的には消費税で広く浅く負担するしかないと思いますが。
投稿: おい | 2008年4月19日 (土) 15時58分
扶養に家族に保険料を負担させるのなら、年齢に関係なく負担してもらうべきではないですか?
高齢者だけ、負担を強いるので問題になっているのです。
高齢者の方も今まではずっと保険料を加入している保険へ支払ってきました。このときには高齢者だからと、保険料額に差があるわけではありません。
そしてみんな若いときには、高齢者や子供たちの医療を支えて来た人たちです。
今までの老人保健制度のときには、加入している保険で保険料を支払い、医療は老人保健が負担していました。
保険者は、老人保健へ老人保健該当者の加入率により負担金を支払ってきました。
今度は、同じように保険者も負担金を出します。しかし今まで違って75歳以上の方の保険料の収入はなくなります。
負担の額が今までと同様になれば、なくなった保険料収入分赤字になり、その分はやがて75歳未満の方への保険料にはね返ってきます。
さらに後期高齢者支援金を出しなさいと保険者に求められています。国が計算した額を保険に入ってる人で割って、上乗せの保険料がかかってきます。
75歳未満の人にも、しっかり負担を求めるようになっています。
老人保健のときには、なかった負担がみんなに増えるということです。
それが特に高齢者に重くかかってくるということになります。
年金が少ない人でも、半分以上は引き去りしないからと言っても、有無を言わせず天引きするのはどうでしょう?
若い人たちは給料が少なくても、その半分近く保険料や年金など引き去りされることはありませんよね。
今回の制度では、とにかくなんとか国の負担を減らすことだけ考えてつくっているから、こんな訳の分からない、国民を大事にしないものになったのだと思います。
投稿: いつも見ています | 2008年4月20日 (日) 11時48分
とうとう、後期高齢者医療制度が原因の一因となった自殺が起こってしまいました。私は、無力感でいっぱいです。 おそらくこんな方は、沢山おられると思います… 早く中止出来ないものかと思います。
自分も裕福ではありませんが、これほどの格差社会…胸が痛いです。 特に介護されてる方… もっとサポートすべきです。
どんどんと生きにくい世界になっていくのは、止めなくてはいけません。
投稿: らら | 2008年4月22日 (火) 13時59分