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コンドームのお話(8)若い人に知ってほしいこと。

 今日は、個人的な用事で急に福岡まで日帰りで行って来ました。帰ってすぐに今日はお寺のお一日参りの日なので行ってきました。で、ブログの更新が気になっても今まで出来ませんでした。仕方がありません。時間の許す範囲で書くことが、長続きの方法だと思いますので、どうぞ、お許しを。

 福岡に行く直前に、昨年暮れに行った中学校からの感想文が届きましたので、それを持って新幹線に乗りました。中で読んでいると、何だか、涙が出て来ました。中学生達が実に素直に、でも一生懸命に感想を書いてくれています。

 中でも、「コンドームを使えば100%大丈夫と思っていたので、びっくりしました。」というのが何人もありました。それから、「本当に真剣に人生を考えないといけないと思いました」というのも。私は、「性と生を考える」というタイトルで話しをしています。性は生に繋がっていると思うからです。そして、「これまで知らなかったことを教えてもらって良かった」とか「知らないまま大人になっていたらと思うと、、、」というのも。それから、私がいつもする映画では、本当に感動したというのも沢山ありました。「私もああして生まれて来たのだと思うと、親に感謝しなければ、」というのも。

 やっぱり知らせなければならないと思います。特に、避妊については、あまい物ではないということを。私は、性感染症の予防のためにも、何が何でもコンドームは使え、と言います。コンドームのないセックスは、さあ、これから二人で赤ちゃんを作りましょう、という時の為に取っておきなさい。と。

 だって、「結婚しました。妊娠しました。赤ちゃんを産みます。母子手帳をもらって来ました。性感染症にかかっていました。」という人がとても多いのです。「独身時代に性感染症にかかっているのを知らないまま結婚した。独身時代に性感染症にかかっているのを知らないまま結婚し、妻にうつしてしまった」という物です。こんなことは防ごうと思えば防ぐことが出来るのだから、と。で、性感染症の予防は?と問います。

「予防法は二つだね。一つは?セックスをしないこと。完璧な予防だね。もう一つは?コンドームを確実に使うこと。コンドームは性感染症の感染を防いでくれます。」と。もちろん、100%ではありません。でも、たとえば輸入血液製剤でHIVに感染してても、コンドームを確実に使いながら、パートナーと二人で生活をしている人は沢山います。

 でも、コンドームは、性感染症は防いでくれますが、避妊は危ういのです。かなりの率で妊娠はしてしまうということは先に述べました。これは、性感染症のかかり易さと、妊娠のし易さの違いといえるでしょう。妊娠は、本当にするものだという意識を持たないといけません。だから、コンドームだけでは危うい、と。やはり併用ですね。

「もしも、将来、カップルの二人とも、どちらか片方ではぜったいにだめ。二人双方が性を望む。そして、性を実行出来る状況になったとしたら、とにかく、二人で話し合いなさい。自分達は、妊娠をしてもいいのか、したら産めるのか、育てられるのか。もし、まだだということになったなら、コンドームプラスもう一つ。世界的には、避妊は確実なピルで、性感染症の予防はコンドームで、との両建てでということになっているけれど、そこまでは言わないけれど。コンドームともう一つをどうするか、それは二人で話し合って決めればいい。そして、コンドームブラスもう一つを毎回欠かさず、確実に実行して、初めて性感染症の予防と、100%近い避妊を得ることが出来るでしょう。これくらい大変なことなのですよ。甘い物ではないよ。」

「そして、大切なのはそこまで出来るか、そこまで出来る関係であるか、ということですね。もし、二人がそこまで話し合ってきちんと実行出来るなら、その二人は、かなりコミュニケーションの取れ合った、いい関係なのだと言えるでしょうね。でも、若者の、また実は大人もそうなのだけれど、性は、妊娠したらどうする?しない為にはどうしようか、という話し合いすらしないままに、行動が先行している、とても貧しいセックスをしていると思います。」

 そんな話を私はします。これは、むしろ若い人よりも、大人の方にこそ言いたいのです。人工中絶は、二十代、三十代が多いのですよ。「妊娠してもうめるようになるまでセックスはしないように」といえば、それでことたりるとする人たちは、では、こどもを産んだ後の人たちの避妊はどうなっているのでしょうか。それを問い直さなければならないと思います。性は一生の物なのだから。そんなことを私は若いうちから知って欲しいと思って話をしつづけています。

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コメント

美代子先生、おはようございます。
みなさんに読んでいただきたい大切ないのちのお話なので
リンク貼らせていただきます。
今さらですみませんがご報告いたします。

投稿: kei. | 2008年2月 2日 (土) 10時24分

コンドームに関することを、私も含めて人々は、あまりにも知らなさ過ぎると思いました。河野さんが、こうして先生の知見と経験を通して具体的に書いてくださることで、自分自身の無知をイヤでも感じています。

ところで一度1ヶ月くらい前と思いますが、2月?日に
「人間と性教育研究協議会」主催の学習会が広島で開催される、とブログに掲載されていたと思うのですが、丁度忙しい時期で保存していません。「人間と性教育研究協議会」のHPで探したのですが、他の地区は
掲載されていますが、広島地区の情報はありませんでした。恐れ入りますが、このことについて教えていただけますか?

投稿: eastwaterY | 2008年2月 2日 (土) 13時52分

kei.さま
いつもいつもありがとうございます。よろしくお願いします。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2008年2月 3日 (日) 04時14分

eastwaterYさま
お忙しい中、コメント、ありがとうございます。人間と性教育研究協議会の中国大会は、2月24日です。近いうちに、このブログでご案内をします。前に書いたのは、どうしてもうまくアップ出来なくて、取り消しました。ごめんなさい。とてもいいメニューが出来ましたので、どうぞ、参加して下さいませ。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2008年2月 3日 (日) 04時17分

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