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コンドームのお話(7)コンドームが破れちゃった!時。

 コンドームは、もうすでに言った様に、避妊としては完璧なものではありません。ちゃんと使っていたのに妊娠して「どうして」となげく人を何人も見ています。ただ、使っていても破れてしまったとか、はずれていたという場合。これは、妊娠しても産めない人には、ショックですね。以前だったら、ひたすら次の月経が無事に来るのを祈るように待つしかありませんでした。

 でも、そのような場合の緊急の避難としての緊急避妊の存在がだいぶ知られるようになりました。レイプされた、とか、コンドームが破れたとかの、ハプニングが起こった時、出来るだけ早く、産婦人科に行くこと。遅くとも、72時間以内に。でも、本当は出来るだけ48時間以内に来て欲しいですね。中用量ピルを2錠飲んでもらいます。その12時間後にもう一度2錠。でも、中用量を二個ですから、どーんと体内にホルモンが入ります。ほとんどの人が吐き気がして、気分が悪くなります。もし、初めに飲んで12時間以内に吐いてしまったら、その時にもう一度2錠飲みます。2時間以上たって吐いた場合、また、二度目に飲んだ後吐いた場合は追加は入りません。吐いてしまって追加を飲んだ場合も、最初に飲んで12時間後に飲むのは、変わりません。

 数日後から二週間以内におそらく出血があります。それを月経と見なして、それでO.K.です。ただ、この方法は100%ではありません。大体、85%の成功率と言われています。そして、この緊急避妊をしても妊娠した人の原因の多くは、緊急避妊をしたから大丈夫として、その後の避妊を怠った時。緊急避妊によって、ただ排卵を遅らせるだけの場合もありますので、その後からの排卵で妊娠という、そういうケースが多いと、最近になって分かりました。だから、その後も確実に避妊をしなければならないということです。

 ただ、私は、このごろ、この緊急避妊をあたかも避妊法として乱用している人たちに良く出逢います。先日は、緊急避妊の薬を飲むのが5回目だと言う人が新患で来られました。どうして?そんなにコンドームがやぶれるの?と聞きました。そうではなく、要するに、避妊を怠って、後から薬をのめばいいと、そう考えてのことだったのです。しかも、それは、悲しいことに、そう彼に言われ、彼の言う通りに後に彼女一人で産婦人科に行っては、薬をもらう、というそんなことの繰り返しでした。

 これはいけません。大量のホルモンをどーんと体に入れるというのは、彼女の体にいいわけがありません。緊急避妊は、一回限りのもの。そもそも、レイプされて、妊娠、中絶という、二重三重のダメージを少しでも軽減させてあげるべく考えられたものです。少々体に良くなくとも、中絶よりは、ということで。避妊をずぼらするために使われることではありません。

 私は、彼女に低用量ピルをつかうように、話しました。そしたら、彼女は、「でも、ピルは副作用が怖いです。」と言いました。何を言ってるの。中用量ピルを一度に4倍も飲むほうが、よほど体に良くないのがわからないの?と私は言いました。彼女の体のために、こんなことを続けてはいけません。そもそも、こんな事を度々彼女に強いる男性も私は、サイテーと思います。

 それから、この緊急避妊は、100%ではありませんので、もし妊娠したときには、その時には産みますという人は使わない方がいいのです。その時は覚悟を決めて待つしかないでしょう。大量のホルモンを入れる訳ですから。

 しつこい様ですが、あくまでも、妊娠しては絶対に産めない人の、ハプニングが起きた時の緊急避難としての措置なのだという事です。くれぐれも、乱用しないように!!ですよ。

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コメント

アフターピルを避妊方法の一種と捉えてしまう者は出てしまうのですね。
自分では何もせずにすむのでラッキー!とばかりに飛び付く男性の無理解がなんとも。
消火器があれば火の管理は怠っていいという理屈が成り立たないのと同じなのですが。

あと、その男性は診察代や薬代は負担したのでしょうか。もしそれすら負担していないというのであればサイテーという評価ですら生ぬるいです。

投稿: めかちゅーん | 2008年1月31日 (木) 19時22分

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