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年の瀬に腹の立つ事(3)原爆症の認定について

 薬害肝炎についてもう少し。私の所にみどり十字の人が来たのがいつだったか、何とか思い出す手がかりがないか、と考えても、どうしてもその時期が分からない。それ以降は、薬を使うのに慎重になっていたので、ほとんど使っていないのだが、それがいつなのか。

 いつからだったかと言うのは、分かる。出血や胎盤早期剥離などの時に、フィブリノーゲンを使え、というのは、私が医師になった時にはもうそれが鉄則だったと思う。1975年には、お産の時の出血で母親が亡くなって、その時にフィブリノーゲンを使わなかった、というのが理由で、医師が民事裁判に負けている。それ以降、特に、フィブリノーゲンを使わなければならない、となったはずだ。

 それが汚染されているなんて、つゆほども知らないで、でも、止血のため、そして、DICの予防のためには使わなければならないものと思いこんでいた。

 そこで、産婦人科学会は、どういう態度を取っているのだろうか。産婦人科医の偉い人が、厚生労働省側の証人で法廷に立ったと言うのは、2,3,の報道で見ているが、私たちのところには、これについて何にも伝わって来ない。多くの産婦人科医が自分も使った!と思っているだろう。だから、学会としての声明が欲しいと思うが、、。

 今日の新聞に大きく報道されている、被爆者の認定について。国は、これまで次々と裁判で負けていて、認定すべきと判決が出ているのに。そして、昨年の8月に当時の安倍総理が広島に来て、「認定の基準を必ず見直す」と約束をし、被爆者団体の人たちが喜んだ。私は、総理が言ったからといって、喜ぶのは早計だと思ったし、そうブログにも書いた。だって、政府よりも行政、とくに厚労省はなかなか一筋縄ではいかないと、これまでの数々の出来事で分かっているから。

 私の友人だった近藤幸四郎さんは、肺ガンだった。のちに胃ガンも発症した。そして肝癌も。全部別々の癌だ。被爆者の癌の特徴でもある、ダブルキャンサー、トリプルキャンサーというもの。同時に二つも三つも異なる癌を発症する、これが特徴だ。しかも、被爆者の発ガン率は被爆者でない人に比べて、高いということも分かって居るのだから。だから、被爆者が癌や白血病になれば、これは原爆症として認定しても当然だと思う。し、裁判でもそう決定が出ている。それなのに、近藤さんは認定されなかった。主治医が「被爆の影響である」とはっきり診断書に書いたけれど、それでも認定されなかった。

 この度発表された認定の基準は、ちっとも裁判、司法の決定にそうものではない。それに、唖然としたのは、この前に発表された、「申請があってから、8ヶ月以内に決定を出すことを約束する」これは一体何だ。原爆症の認定は、病気になってから申請するものだから。癌になった、そして申請をした。8ヶ月も待っている間に命が失われる人も出るだろう。なぜ、申請してから、決定されるまでにそんなに時間がかかるのだろうか。これをお役所仕事と言うのだろう。もっとさっさと審査をすべきだ。一人一人の命が懸かっているのだから。

 それに、被爆者は数が限られている。これから増える訳ではない。もう20年もすると、ほとんどの被爆者はいなくなっているだろう。際限なく、そのためのお金が増えて行くのではない。限られた人たちの限られた命なのだから、もっと手厚く対応してもいいはずだ。本当に、この国は、全くいつから、どこまで国民に冷たい国になってしまったのだろうか、と嘆いている。怒っている。

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コメント

申請しても受理をされない方が多いと聞いています。
実母は昨年やっとの思いで申請が受理されました。
長かった・・・。しかし、受理をされ、認定されたとは言え、体調が良くなる訳でもなく、これから先、不安を抱えながらの生活を送る事になるでしょう。もっと、多くの方が、満足いく(きりがないとは思うのですが・・・)医療を受けられる国になってほしいなと思います。

投稿: かあさん | 2007年12月19日 (水) 11時17分

ミドリ十字と厚生労働省には、山田洋行と守屋のような関係がないのでしょうか?
血液製剤の事といい、フィブリノーゲンの事といい、なんか怪しい。
国民より、業者の方を向いていい目がしたい官僚、それに便乗してるか、知らん顔をしている政治家・・・
美代子先生と一緒に、わたしも怒ってます!

遅くなりましたが、お久しぶりです。
コメントしてなかったけど、毎日クリックしてました。

投稿: うららさん | 2007年12月20日 (木) 11時50分

かあさんさま
コメント、ありがとうございます。今、原爆症として認定されているのは、全被爆者の1%にもなりません。二つの癌になっても認定されません。あらかじめ決められた予算の範囲ないでしか、認定されないようになっています。基準になっているのは、被爆の距離ですね。でも、原爆の投下時、爆心地から一キロの人でも、二キロの人でも、その後の放射能の影響などは、変わらずあるわけで。だから私は、被爆者が癌などの病気になった時には、それだけで原爆症として認定すべきだと思います。どうぞ、おかあさまを大切になさって下さいませ。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年12月20日 (木) 12時47分

うららさま
コメント、ありがとうございます。それに、いつも読んで戴いているとの事、恐縮です。
そう、防衛省の事件と同じようなことがありますね。だって、薬害エイズに責任が一番あるとされた当時の厚生省の松下薬務局長はミドリ十字の社長に天下りました。その当時の部下だった今村氏は、厚生省薬務局企画課長補佐、国立衛生試験所総務部長を務めたあと、やはりミドリ十字に天下っています。この今村氏が、ミドリ十字の東京支社長となって、薬害肝炎について、厚生省との会議に出席し、薬害肝炎については世間に公表しない、などと取り決めています。行政と業者の癒着、どの世界でもあるのでしょうが。国民の命と直結する厚生労働省でこんなことがされたのでは、たまったもののではないそう思います。国民のもっと多くが、政治や行政に関心を持ってウォッチングし、不正なことには怒るべきだと、そうすればもう少し、日本も変わるだろうに、と、そう思っています。
河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年12月20日 (木) 13時07分

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