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自己肯定感と性の健康

自己肯定感と性の健康を育む健康観について ≪どんと来い!思春期≫~わたしたちの健康の定義を作ろう!~の実践を通して、という小学校の養護の先生の実践を聞きました。

 これがまた素晴らしかったのです。彼女の話を全部ここに再現するとは不可能ですが、(本当はそうしたいのだけれど)キーワードをいくつか紹介します。

「健康とは(HOの定義)身体的にも精神的にも完全に良好な状態をいい、単に疾患にかかっていないとか虚弱でないということではない。」さらにこう続きます。「○到達しうる最高の基準の健康でいられることは、人種、宗教、政治信念、経済的ないし社会的地位にかかわらず、誰もが有する基本的人権のひとつである。○政府はその国民の健康に対して責任を負うものであるが、その責任は適切十分な保健的・社会的施策を行うことによってのみ、果たすことができる。」

 この定義を先生は「健康というのは、からだも心もくたくたじゃなくて生きいきしていて、人とのつながりのなかでもくたくたじゃなくて生きいきとしていて、病気やけがにかかってないとか、体力が無いとか、からだが弱いとかそういうことではないんだよ。」と子どもたちに伝えています。

 こどもたちが本当にストレスにさらされていて、自己肯定感を持つことができないでいる様を彼女は見ています。

 (家族・友だち・地域・学校・学級など)・大切にされたという経験・大切にしてもらっているという実感それらが自己肯定感に繋がって行くのですが、具体的には体を育てるていねいに(食べる・寝る・遊ぶ)心を育てるたっぷりと(つながる)それらを必要な時に与えてもらうことで、育って行きます。自己肯定感とは、「心とからだの主人公になって生きていく力のベース」。

「ありのままのわたしで、ありのままのあなたで、つながりの中で自分らしさを発揮して、一人ひとりが存在の大切さと安心感を実感し、時間をかけて成長しながら、こころと体の主人公となって生きていける力が育つ」これが、思春期に獲得したい自己肯定感であるといわれます。そのために、具体的にさまざまな実践に彼女は取り組みます。そして、これらの健康観をしっかり押さえた上で、性の健康へと授業は進みます。

具体的な授業ははぶきますが、生徒達が作った健康の定義がすごいので。

5年生からだ○よく食べ、よくね、よく遊ぶ そしてシャキッと からだモリモリ、バッチグー

        ○めし食えば、元気はつらつ百万力!

    こころ○ごめんなさい。その言葉で、心が笑う。

        ○仲直り、勇気をだせば、すっきりだ!

    つながり○友だちを、傷つけないで、大切に!

         ○自信をもてば、いいんじゃない!

6年生からだ○休めば、なんとかなるもんさ!

        ○誰か、たすけてーっ!

    こころ○思い切って相談しよう!言ってみれば、心がすっきり!

        ○いじめられてもあきらめず その相手に向き合おう!

    つながり○こわがらず、勇気をだして、相談しよう!

         ○自分を好きになって 人を大切にしよう!

このような授業を受けた上での6年生の感想文の一つを

「最近、いらついたり、今までと違う感じがする。」と思っていました。でも、それは、誰にでもある「思春期」であることを知りました。子どもの頃、思ってもいなかったのに、急に反抗したりするのは、自分だけでなく、同じ学年の友だちでも同じ気持ちになるって分かって、正直安心しました。(中略)一人になった時、ナイショ話をされた時は、特に自分でもいやになるほど、悲しくなります。でも、自分の意見が言えなくて、自分の思ってもいない方向に進んでいることもあります。なので、これから、きちんと自分の意見を言って自分の気持ちをおさえられるような人になっていきたいです。

 私は、この年になってもまだ思春期の頃のしんどかったことを思い出しては、胸がずきずきとすることがあります。あの頃に、こんな授業を受けることができていたら、私はもう少し、楽に生きることが出来たであろうに、とそう思います。

 性教育って、とても幅が広く、深く、大切な「生きる」教育なのです。

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コメント

まさに「生きる」教育ですね。

誰にでも訪れる思春期。
心のゆれには、ちゃんとした理由があるんだ、
ということがわかるだけでも、
ずいぶん、子ども達はラクになるんだろうと思います。

深いですね!

投稿: Hoch | 2007年12月27日 (木) 14時33分

今日の河野さんのブログを読んでいて、我家の息子のことを思い出しました。たしか、小6くらいだったと思います。この子を妊娠してからの心音から始まって小学校に入るまで、親子の会話、おばあちゃんとの会話、息子のおしゃべりや歌、それを褒める私たちなど、いろいろなことをテープに録音していました。そのテープを、ある日息子が「寝る前にこのテープを聴きたい」といって1ヶ月くらい毎日聞いていました。
やがて1ヶ月くらいたってテープを返してくれました。その後、暫くして思春期特有の反抗期が始まりました。結構親にとっては辛い息子の反抗期でした。
それから何年もたって、ある心理学者が「反抗期はとても重要なものである。なぜかといえば、この親なら自分が反抗しても大丈夫と確信したときから始まるからである。だから、反抗期が始まったら、親は喜びなさい」という意味のことを書いていらっしゃる文章に出会いました。
そのとき初めて息子が1ヶ月寝る前にそのテープを聴いていた意味が分かりました。テープの内容を聴くと、私たちは息子のありのままを喜び、褒めてとても幸せな感じでした。多分息子は親から愛されていることを知り、自己肯定感が持てたのだと思いました。

投稿: eastwaterY | 2007年12月27日 (木) 23時15分

はじめまして。
毎日読ませてもらっています。いつもとても勉強になります!

わたしは卵巣チョコレート嚢腫で不妊でした。体外受精も経験しました。
今は一児の母です♪

内膜症のことや不妊治療のことを、多くの方に知ってもらいたいです。
ぜひこの事をブログに書いていただきたいと思いコメントしました。
よろしければお願いします。

投稿: なぎ | 2007年12月28日 (金) 04時40分

Hochさま
コメント、ありがとうございます。そうですね。Hoch様も、早めに、僕が思春期になる前に、「あなたにもこんな時がきっと来るけれど。あなたが、いくらママに腹が立ったりしても、私はいつもあなたを愛しているからね。」と伝えておいて欲しいですね。その最中はなかなか伝えられません。これからもいろいろ情報を発信しますね。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年12月28日 (金) 11時10分

eastwaterYさま
子育ての貴重な体験をお話し下さってありがとうございます。本当に、あのころは自分でもしんどかったし、今度は子育てをしていて、育てる立場で、とてもしんどかったですよね。もう少し、この「思春期」というものをちゃんと大人が分かるようにしなければ、と思います。本当は、その前、子どものうちにどれだけのコミュニケーションを取っているか、が大切なのですが。私は、保護者への講演の時に、こんなことを必死で話します。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年12月28日 (金) 11時19分

なぎさま
読んで戴いて、そしてコメントも戴いて、ありがとうございます。そうですね。今度は、病気のシリーズを書きましょう。まだまだブログで発信するべきことが沢山ありますね。ありがとうございました。これからも読んで下さいね。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年12月28日 (金) 11時22分

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