年の瀬に腹の立つ事(4)アメリカ軍と日本
イラクでは、アメリカ軍が大量に使った、劣化ウラン弾によると思われる白血病の子どもたちが沢山いる。以前、広島に来ていたイラクの青年医師が「軍隊はいらない。」とはっきり言った。彼は、その治療の研修のために広島にやって来たが、来るのも帰るのも命がけだった。そして、イラクに帰った後も、経済制裁で病院には薬がない。病気のこどもの治療が出来ないとの訴えが来ている。「軍隊よりも薬を!」と。
日本の新テロ特措法が国会延長により、衆議院の再可決で通りそうな気配だ。インド洋沖の他国軍への給油は、アフガンに対してと限定されていたのに、実はイラクにもとばればれになった。でも、、、その大変な問題は、何だかうやむやのうちに、何も言われなくなってしまった。防衛省の問題は、まるで守屋さんの問題であるかのように。マスコミや国民の目がそっちに行って、さぞ、防衛省の人たちは、守屋さんに感謝しているのでは、と思う。
イラクの戦争は、本当に対テロなのか。アメリカは、一体、何を目指しているのかが分からなくなっている。日本は、ひたすらアメリカに追随しているが、ヨーロッパやオーストラリア、そしてアメリカ国内でも、ブッシュの「対テロ」という名の戦争に対しての世論が変わって来ていることを見なければ。
おそらく、アメリカでは、次の大統領戦では共和党ではなく、民主党が勝つであろう。イラク戦争に方針転換がなされるであろう。その時に日本はどうするのか。
今年3月15日、「新型イージス艦あたご」が、三菱長崎造船所から防衛省に引き渡された。httt://www1.linkclub.or.jp/~chi-tan/news/news070315.html 「あたご」の建設予算は1453億円。建設中の「あしがら」は1389億円。海上自衛隊は6隻のイージス艦を持っている。
この金額を見て、あっと思う。薬害肝炎の人たちが一人あたりの補償は国が一人あたり2000万円と言っているが、1500万円でいいから、全員の補償を、と言っている。原告側はおそらく被害が特定出来る人は約800人と言っているが、たとえその10倍、10000人であっても、1500万円の一万人で、1500億円。イージス艦一隻の金額だ。もちろん、テロ特措法で他国に給油する石油のお金も日本持ちだ。
国にお金がない、医療や福祉などの金額がふえて、予算がないないと言う。お金がないのなら、せめてイージス艦一隻くらいは削ろう、とならないのか。
インド洋沖で給油することにより、イラクの戦争に日本も荷担しているということをあらためて認識しなければ。今や、決して、テロの為ではなく、石油を巡るアメリカの利権がらみの中東への侵略だということも認識しなければ。
アメリカの良識ある人たちの選択で、大統領が替わるとイラク戦争の質も変わるはずだ。ベトナム戦争が示している。アメリカ軍が撤退すると、ベトナムに平和が戻った。貧しいながらも、豊かな土地で人々は懸命に生活している。何より平和だ。でも、そこには、アメリカ軍が残して行った枯れ葉剤と地雷による被害がまだ続いている。
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コメント
こんな記事がありました(年金記録漏れ問題への対応策として、政府・与党が7月に発表した「コンピューター上の記録と台帳等の突き合わせ作業」について、社会保険庁が約1500億円の経費が必要と試算していることが20日、わかった。) 政府は無駄ばかりしていますね。
投稿: 河口 | 2007年12月20日 (木) 17時01分
河口さま
お久しぶりです。コメントありがとうございました。
そうですか。ここでも1500億ですか。こんなお金は、社会保険庁の予算の範囲で捻出してほしいですよね。だってここもずいぶん無駄遣いをして来たのですから。今日の新聞では、やはり薬害肝炎の被害者は多くて1000人と原告は言っていますね。ということは、150億円です。これくらい、捻出しても誰も文句は言わないと思うのですが。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2007年12月21日 (金) 12時27分