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女性ホルモン・男性ホルモン(3)

 昨夜(8日)「更年期医療における漢方療法の治療戦略」という講義を聞きに行った。ほてり、冷え、不眠、不安、うつ、頭重、頭痛、喉のつまり感等漢方を駆使することによってずいぶん改善される。それは、私でも実践していることだが、より具体的に教えていただいて、とても役にたった。が今一つ、私が一番聞きたかった、漢方で骨密度は上がるか、コレステロールは下がるか、そして何より、性交痛などの粘膜症状は改善するのか、それらがちゃんと語られなかった。これらは私がこれまでやって来て、漢方では効かない、と実感して来たことである。

 講義の後、質問の時間が限られていて、でも、3番目のだけ何とか質問することが出来た。そしたら、女性ホルモンが出なくなったための膣炎は、漢方で何とかなるというお返事であった。八味地黄丸やもう一種類(聞き取れなかった)などを使うと。でも、とても胃が悪くなってしまう、と。私は、その為なら、ホルモンの特に膣錠ですぐに改善するので、一日三回もせっせと漢方を飲むよりはるかに効果的と思う。が、先日私が「性交痛などの粘膜症状には漢方は効かない」と書いたのは、訂正しなければならない。

 結局は、東洋医学と西洋医学を融合させて、それぞれの患者さんに応じた治療を、という事だと思う。

 さて、私がカナダで見た男性ホルモンのパッチの個人輸入はダメであった。でも、そのうち、日本でも販売されるようになるだろう、と思っていたが、なかなかだ。私の分野では、不妊症で、中でも、なかなか性交が出来ない、と言う人の対応が問題であった。子どもを作るだけなら、人工受精をすればいいのだが、結婚してもまったく性交が出来ないとなると、単に子作りの為とは異なる意味が出てくる。以前は、カップルで岡山のドクターの所に紹介して、行ってもらっていた。男性のペニスに細い針でプロスタグランディンの注射をしてもらう。そしたら、勃起するので、急いで近くで待っている彼女の元へ。一旦それでうまく行くと、後は大体、大丈夫であった。

 でも、それも、バイアグラが認可されて、不必要となった。バイアグラは、とてもありがたいお薬で、効果は抜群である。よく、これを飲んで死んでしまうという事故が報告されて、こわい薬のように思われていたが、もともとは心臓の薬だ。心臓の薬を他に飲んでいるお年寄りが重ねてこれを飲むことで、事故となっていたものだ。個人輸入やネット販売などで手に入れた人の事故があいついで、厚生省(当時)は、早々に認可した。このころ、いつまでも低用量ピルが認可されず、バイアグラだけさっさと認可した厚生省に、なぜなのかと批判が上がって、そしてそれからほどなく、低用量ビルもやっと認可されたという経緯がある。

 しかし、バイアグラは、血管を拡張させて勃起を促すが、これはホルモンではない。あくまでも機械的に勃起させるというたぐいの物である。全身状態を元気にさせたりする物ではない。

 漫画家のはらたいらさんが、うつであったのはホルモンのせいだったと告白されたこともあって、男性の更年期が注目されるようになる。が、まだ男性ホルモンは女性ホルモンと異なってなかなか薬として市場に出ない。ところが、あったのだ。先日、私は女性ホルモンのクリーム(軟膏)の話をした。その会社が男性ホルモンの軟膏を、一般の薬局で売っていたのだ。私はびっくりした。このいきさつをまた明日書きます。

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コメント

ホルモンってすごいのですね。

ちなみに私は更年期でもないのに、日替わりで頭痛や冷え、筋肉痛に悩まされています(笑)

これはホルモンのせいじゃなく疲労ですね。

それとも疲労でホルモンが変なんでしょうか?

いずれにしても
身から出たサビです。

これからは健康第一に切り替えねば。

投稿: さとうしゅういち | 2007年11月10日 (土) 23時56分

さとうしゅういちさま
明らかにお疲れだと思うけれど、でも、少し治療をした方がよさそうですね。今のあなたの症状には、漢方薬が向いていると思いますよ。休んでいる間、どう゛そ、パソコンも控えめにして!と思います。どうぞお大事に。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年11月11日 (日) 02時58分

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