女性ホルモン、男性ホルモン(2)
昨日の女性ホルモンにもう少し追加を。女性は、閉経して女性ホルモンが出なくなると、血液中のコレステロールが高くなる。女性ホルモンがコレステロールを消化する働きがあるからだ。それから、女性ホルモンは、血液中のカルシウムを骨に取り込む働きもある。それがなくなるわけだから、骨のカルシウムが不足して、骨粗鬆症になる。お年寄りの背中が曲がるのは、背骨がスカスカになってしまうから。また、転倒によって簡単に背骨の圧迫骨折や、大腿骨頭頚部骨折を起こしてしまう。そのためにも、食事に気をつけて、乳製品をしっかり取ることが必要だ。ちなみに、小魚などのカルシウムは吸収が悪く、あまり効果がないとされる。それと、適度な運動も。コレステロールについては、食事療法は、お野菜をしっかり。それと、お魚。でも、野菜ばかり食べていたのでは、栄養的に偏ってしまう。ここを間違える人がいる。野菜をとればそれで健康的なのだと。でも動物性蛋白質も血を作ったり、筋肉を作ったり、カルシウムを取る意味でも大切なので、適度にとらなければ。
これらのコレステロールや骨の問題をもホルモン補充療法は解決してくれる。
さて、男性ホルモン。最近、男性にも更年期があるということはしきりにいわれるようになった。そもそも、女性が50才前後で生殖能力はなくなるのに比べ、男性ホルモンは平均80才まで出続ける。だから、70代で赤ちゃんが出来たと言うことは時々聞く。しかし、個人的には、若くとも男性ホルモンの分泌がされなくなるという人も沢山いる。さらに、年齢的には管理職となり、仕事の責任が重くなり、ストレスでうつになる方も決して少なくない。中には、自殺に追い込まれる方も。この中高年のうつと、ホルモンの関係も、たしかにあると言われる。しかし、そのあたりがまだ曖昧で、多くは、この両者が混在しているようだ。
今、まだ治験の段階であるが、男性ホルモンをうつの方に投与して、劇的に良くなったという人もいるし、一方、男性ホルモン投与中に自殺されてしまったという人もいる。精神科と繋がりをもちながら双方で治療をすべきだろう。しかし、まだ男性に対してのホルモン補充療法は日本では軌道に乗っていない。ごく一部の泌尿器科のドクターが治験をしているに過ぎない。この点、日本は男性に対してとても冷たいとも言える。
もう、10年以上前になる。1996年にカナダのバンクーバーで世界エイズ会議があり、参加した。この時に、エイズの薬を併用して治療することにより、生きることが出来るようになったという画期的な発表があり、会が興奮に包まれた。また、エイズ関連の会社のブースが、デモ隊に襲われてこわされるという事態も起こって、何分にも活気に満ちた会であった。
その時に、私は奇妙な物を見た。ある会社のブースで、陰嚢に(もちろん、つくりもの)サロンパスのような物が貼ってある。見ると、男性ホルモンのパッチであった。その頃、日本では女性ホルモンのパッチが出たばかりであったが、男性のもあったのだわ、と、痛く感激した。HIVに感染し、エイズを発症すると、ポテンシャルが下がって、活気がなくなる。で、男性ホルモンを投与すると、とても元気が出るとの解説であった。女性ホルモンのパッチは小さく丸く肌色なのだが、男性のは、とても大きく四角くて白く、とても目立つ。それに、なぜ陰嚢に?それは陰嚢の皮膚が目の上のまぶたの皮膚のように、とても薄いので、吸収が良いからだそうだ。で、そのキットには、陰毛を剃るためのひげそりまで一緒にセットされていた。
私は、そのキットを戴いて、日本に持って帰った。だって、日本には、そんな情報は全くないのに、海外では、こんなのがもう実際使われているのだから。そして、産婦人科医の小さな集まりでその話をしたら、参加していたドクターがとても興味をしめされ、それを教えて欲しい、と。そして、個人輸入をしたいと、アメリカの会社まで連絡をしたが、「日本の政府は、まだこれを許可していないので、個人輸入も出来ない」と断られたと。ではハワイにでも行って、そこの医師に処方してもらうしかないね、という話になった。
(長くなりました。この項、まだまだ続きます。)
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コメント
エイズ薬のカクテルという方法ですよね。
寝て起きて、仕事して追い詰められ、
また、寝て起きて・・・・・・・・
の繰り返しじゃ、心が休まる時間が無いですね。
先日の広島ブログのような活気に満ちたなら、自殺とかにはなりにくいでしょうに。
子育て、家事、仕事で毎日追い込まれそうな主婦の人達でも、ブログをすることによって心の逃げ場もあるのかもしれませんね。
男性でも、仕事の合間にブログをして、心の休憩をされている人もいいのかもしれませね。
投稿: やんじ | 2007年11月 8日 (木) 19時27分
こんにちは。クリームの件くわしく教えて頂きありがとうございます。
医院にも置いてあるのですね。場所はよく知っていますが、仕事があるため街中まで行けないのが残念です。なんとか探してみます。
私は、ただ汗が出るだけなので、更年期障害がひどい人に比べれば恵まれているとは思いますが、そのためなかなかお医者さんに見てもらうまでいきません。
このブログを読むと、喉を痛めやすいのはホルモン不足かなと心当たりが..
本当に、身体のことも、社会のことも、いろいろ勉強になります。
これからもたくさん情報を発信してくださいね。
投稿: いつも読んでいます | 2007年11月 8日 (木) 21時05分
やんじさま
そうですね。何金一つでも心の安らぎが得られるものをもてば、と思うのですが。でも、追いつめられた人は、そう思うゆとりもなくなってしまうのですね。やはり疲れた人は、すこしでもお休みして、心のゆとりを得るのが一番の治療だと思います。その意味で、日本に蔓延している頑張りすぎは見直さなければなりませんね。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2007年11月11日 (日) 03時12分
いつも読んで下さっている方さま
よく、ウオンツなどに置いてあるようです。もし、手にはいらなければ広島にいらっしゃる時にはご連絡を下さいませ。読んで戴いてありがとうございます。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2007年11月11日 (日) 03時22分