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二つの事件について

 今日、二つの女性に対する暴行事件のニュースをみた。一つは、岩国の海兵隊員4人による広島の19才の女性への集団暴行事件。これは、女性の話の中に曖昧な点がある、ために、逮捕はしない、任意で捜査をし、送検をする、と警察が発表したという。米兵たちは、合意の上だったと言っているとも報道された。

 もう一つは、財務省、主計局の職員二人のよる女性への暴行で、犯人の二人が逮捕されたとの報道である。犯行現場は女性の住まい。一緒にお酒を飲んで、始発の電車まで家にいさせてくれ、との頼みで家に連れて来た、と。そこでの犯行であると。

 前者の犯行では、広島県知事が「盛り場でうろうろしている未成年もどうかと思うんでありますが」と女性会議のオープニングの挨拶の中で言ったということは、先日、私のブログでも述べた。夜中まで遊んでいる女はレイプされても仕方がない、そんな風潮や、世論が未だにある。うろついていた訳ではなく、イベント会場から連れ出されたものなのだが。一方は、家にまで連れて帰っても、マスコミの論調は、全くその女性の行為を非難してはいない。それよりも、大蔵省の主計局の人間が、とそっちに興味が向かっているようだ。

 私は、米兵の被害に遭った女性に伝えたい。あなたは、悪くないんだよ、と。あなたは被害者なのだから、自分を責めることはないんだよ、と。だって、車の中で、4人もの男達にレイプされることを合意したなんて、絶対だれも信じないもの。

 未だに社会には神話がある。「男の車に女が乗ったら、それは何をしてもいいと言うことの合意なんだ、だから、強姦罪は成立しない」というもの。昔はそうだったが、今はもう異なっている。車に乗るのは、車に乗ることを合意しただけの事であって、性交まで合意した訳ではない、司法の場ではそうなっている。

 私の知っているドクターが、夜中の二時ごろ、お酒を飲んで本通りを歩いて帰っていたら、そこで複数の男に襲われて、けがをさせられ、お金も取られるという事件があった。それはとても気の毒なことであった。お気の毒なのと、恐ろしさで、だれもが身をふるわせた。でも、夜中にあんなところを通っていたのだから、事件にあっても当然だ何て、誰も言わない。被害者が責められるのは、ひたすら女性の強姦事件である。

 岩国の米兵の広島の事件は、それに加えて、日米の壁「日米地位協定」があり、日本の警察は、彼らを取り調べることは出来ない。それに、沖縄からの情報によると、米兵の犯罪があったなら、ただちに日本の防衛事務所の人間が動く、と。それらの圧力は十分に考えられる。何しろ、日米の問題なのだから。今、それでなくとも、日米の給油などを巡って難しい局面に来ている。

 彼女には、しっかりした弁護士がついているだろうか、家族などからの圧力は?警察でのしらべには、ちゃんと胸を張っていていいんだと知っているだろうか、などととても気になる。もちろん、犯人が逮捕されれぱこれで彼女が立ち直れる、というそんな単純なものではない。そうだけれど、これからも攻撃が彼女に向かい、さらに彼女が傷ついて行くのではないか、と、それが心配だ。 

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コメント

性犯罪被害者の一人としてコメントします。
どうして、いつまでたっても
性犯罪の被害者は
責められる立場にあるのでしょうか?

私が被害にあったのは25年前。
子供だったので
自分で病院へ行くということも思いつかず
(なので、病院には行きませんでした)
「妊娠していたらどうしよう・・・」と
数ヶ月悩みました。

警察署では男性の警官に囲まれ
苦しかったです。

当然カウンセリングもありません。

学校では
授業中に別室に呼ばれ
犯人が写っているかもしれない写真を
片っ端から見せられました。

朝から私服警官に囲まれ
犯人に似た人を指差すように言われ・・・。
その人は犯人ではなかったのですが
その人と仲間から
ブロック塀を投げつけられるという
‘仕返し’を受けました。
でも、もう誰にも何も私は言いませんでした。

「どうして
ちゃんと犯人の顔をおぼえてないんだ!!」
親にも学校の先生にも言われました。

家族は
私を‘オトリ’にして
再び犯人をおびきよせようとしました。

哀しかったです。

大人は嫌な生き物だと思いました。


今回の被害者には
同じ思いをしてほしくないのに
胸が痛みます。

先に被害に遭ってしまった者として
被害者が増えてしまわないように
何か出来ることはなかったのかと
自分で自分を責めています。

投稿: 匿名 | 2007年10月26日 (金) 18時55分

匿名さま
とてもつらい思い出を話してくださってありがとうございます。25年も前の事が、まだまだ心の深い傷となって残っていること、未だにご自分を責めていることに、胸が痛みます。廻りの大人達の言動により、さらに傷を背負われたのですね。当事者の身近にいる者は、当事者がどれだけ傷ついているか思いを及ぼすことがなかなか出来ません。特に、親などの家族は、自分が被害者になってしまったかのように振る舞うことがあります。どう被害者を支えてあげようか、と、そう考えて欲しいのですが。今では、だいぶ警察の対応も変わっては来ました。女性の警察官がお話を聞いたり、被害者のためのカウンセラーも配置されています。でも、それでもすべての警察官が性犯罪についてトレーニングされているとは限りません。今回、アメリカとの関係がからんで、きっといろいろなプレッシャーが掛けられているのでは、と心配します。被害者がどのような扱いをされたのか、とても気になります。匿名様が思いを寄せてくださったその重みをしっかりと受け止めます。これから、私たちがどうしたらよいのか、考え、仲間達と何らかの行動を取ると思います。あくまでも、彼女を支える為に。そして、すべての性犯罪の被害者が少しでも心が解放されて行く為に。ありがとうございました。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年10月27日 (土) 01時52分

大変嫌な話ですが、多分、レイプ事件でも、利用され方が違うのでしょう。

米兵の事件のときは、やはり、日米安保を揺るがせたくないという権力の意図が強く出てくるのでしょう。

一方、財務省の職員のときはむしろ公務員たたきに利用する。

 そうやって、マスコミが公務員を叩いても、財務省などの「えらい人」には打撃は及ばず、むしろ、末端のサービス、それも女性非常勤職員が多く担っているようなサービスが「公務員バッシング」「行革」に悪乗りして切り捨てられるのですが。今から実は重苦しい気持ちです。

なお、レイプを正当化する意見として、たまに、男性の精子が溜まりまくるから、それを抜くためにどうしてもそうなってしまう、などという、信じられないことを言う人がいますが大間違いです。男性の精子は古いものは壊されて体に吸収されますよね。(間違っていたらごめんなさい)。

かつて、「法律がなかったら俺らみんな強姦魔やんけ」などと、叫んだ、代議士がいました。その男が、今は、有罪になっていますが議員を辞めませんね。女性はもちろん、男性に対しても大変失礼な話です。そんな人と一緒にされたくはない。

そのような人が繰り返し選ばれている日本です。

投稿: さとうしゅういち | 2007年10月27日 (土) 21時30分

さとうしゅういちさま
女性に対する暴力が、今回の二つの事件は政治的に利用されているということですか。加害者がどんな人であっても、被害者はひどく傷ついているのには違いないのです。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年10月28日 (日) 17時11分

ごめんなさい。

いろいろ利用する人に怒りを覚えたあまり、却って、よくありませんでした。。

投稿: さとうしゅういち | 2007年10月28日 (日) 22時50分

悲しい事件が多いですね。被害にあわれた方たちが、これ以上傷つけられないよう願うばかりです。また、大人として、少しでも多くの子供たちに、自分の身を守る方法、危険を回避する方法を、教えていかねばと
痛感しました。

投稿: いっちゃん | 2007年11月 5日 (月) 20時33分

いっちゃんさま
その通りと思います。そうなのですが、誰が考えてもそうなのですが、それすら出来ない状況が続いています。こどもに力をつける、これも性教育の大切な部分なのですが。ぜひ、お話を聞いてくださいませ。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年11月 6日 (火) 00時10分

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