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若者の無知(4.人工中絶は殺人?)

 教育現場でよくやられていることなのですが、「中絶は殺人。不妊になる。女の心と体を傷つけるやってはならないこと。」こう教える方達は、「中絶があるから若者が性行動を取る」「中絶でおどせば若者は行動を取らなくなるだろう」という目論見が見えます。

 ところが、これは全く効果を見ません。だって、すでに述べたように、若者たちは、「性は生殖」ということがちゃんと分かっていません。もちろん、「性交によって妊娠する」ということはだれでも知っていますが、それが自分のものになっていません。自分の行動と結びついた力としての知識になっていません。「これで私が妊娠するんだ」「これで彼女が妊娠してしまうんだ」と。

 そんな彼女、彼らがいざ妊娠してしまう、そこで初めて自分の甘さを知り、涙することになるのです。そして、「赤ちゃんを殺すのはいや。」産んでも育てるだけの力もないのに、「産む、産む」となっても当然だと思います。

 私は、人工中絶は、産んでも育てられない妊娠をしてしまった女性の(男性のではなく)救済策としてある、という一面もあるということを、話してあげないと卑怯だと思っています。だって、いざ妊娠してしまったら、大人達は一斉に「堕ろせ、堕ろせ」と言うのですから。もちろん、あんなもの、受けるより受けない方がいいに決まっています。それは、つらいから。みんな泣きながら受けています。でも、「人工中絶を受けたから、彼女は殺人者。それで彼女の人生はもうダメになってしまう」訳では決してない、と思うのです。

 後は、一刻も早く立ち直って強く生きて行くこと。その為に、何が必要なんだろうか。それには、二度と繰り返さないと決心することだが何より必要だと思っています。彼とのこれまでの関係の見直し。「彼とはこれからも付き合うのか、別れるのか。付き合うのだったらセックスは?これからもするのかどうか。自分に取って本当に必要な物なのか。もし、するのであればこれからの避妊は?これまでの避妊の何がいけなかったのか。これからどうするのか。彼とそれをどう話し合っているのか。」これらをしっかりと話し合います。

 私たちだって、好きでも何でもありません。しなくてですめばそれに越したことはありません。でも、私たちがもし、「これで人工中絶はおしまいです。もう、私たちは二度と人工中絶はしません。」と、道具を捨てることが出来る時が来たとしたら、その時は、「望まない妊娠をする女がいなくなった時。望まない妊娠をさせる男がいなくなった時。」その時こそ、私たちは心からの笑顔で人工中絶終了宣言をすることが出来るでしょう。

 アメリカではブッシュ政権の元で、宗教団体が主張する禁欲教育を推進してきたせいで、実は、またアメリカでのエイズ患者が増え続けていると一昨日、HIVの専門医の講習でならいました。でも、アメリカの人工中絶を厳しく禁じている宗教が強い地域では、一方で、たとえば保育所のついた高校などが沢山あって、出産しながら学業も続けられるようなそんなケアがなされています。

 日本の宗教団体では、このような手当もしないままに、ただ、アメリカの宗教団体のまねだけで、ただただ「セックスはしてはいけません。」と、そのような教育をせよ、避妊を教えると避妊してのセックスをしたがるから、と、このような圧力を掛けています。これでは、傷つく若者達が増え続けて行くだけだと思っています。

 そして私は、このような人工中絶や出産、養子縁組などでつらい思いをするのも、女だから。これらの意味も含めて、「身ごもる性を持っている女は自分の体に責任を持て。身ごもらせる性を持っている男は女の体に責任を持て」といい続けなければ、と思っているのです。

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コメント

まさにその教育されています。性交が悪い点は、この人工中絶での殺人説と、HIV感染説です。特に前者は4月に、後者は11月ごろから盛んにされていますね。企画されている人は、とても満足しているようでしし、価値観が変わるとも思えません。(しかも新聞に取り上げられたりしましたしね。)どうにもならないなぁと思った覚えがあります。

投稿: しゅんぼうママ | 2007年9月14日 (金) 19時03分

しゅんぼうママさま
コメントありがとうございます。うん?だれが、どこで?まあ、広範囲に行われている事ではあるのですが。それを聞く度に胸を痛めています。それから、shiozyさんのこと。私は、今、彼は整形にかかるべきとおもっています。しゅんぼうママさまのブログを拝見したのですが、とにかく、このままで放っておいてはいけないと思っています。よろしくお願いします。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年9月16日 (日) 02時45分

shiozyさんのしびれは心配しています。私の書き方もまずかったなと反省しています。「整形外科」がだめにも読めますね。・・・・ホント、反省。もちろん、いまは整形外科にいき、原因だけでなく痛みの軽減を図ってもらいたいと思っています。同じく放っておいてはいけないと思っています。ただ原因もがはっきりしなかったり、すぐにはすっきりしないのじゃないかなとも思ったりしていつうちに、変な話を思い出して書いてみたのです。反省です。

投稿: しゅんぼうママ | 2007年9月16日 (日) 09時12分

河野先生、しゅんぼうママ。
医療の専門家二人に、わたくし事を心配していただきありがとうございます。ちょっと恐縮もしております。
明日、予約済みの整形へ参ります。
実は、この病院へ行く前、先生のケータイ番号を西○陽子さんに教えてもらって、先生に相談しようと思ったのですが、なんとのう躊躇してしまいました。明日行く病院でも明快な治療方針が立たないようなら、今度は思い切って相談いたしますので、よろしくお願いいたします。

投稿: shiozy | 2007年9月18日 (火) 09時48分

shiozyさま
せっかくコメント戴いたのに、お返事をしなくってすみませんでした。今回の病院行き、これで良かったと思います。どうぞ、これからも通院をして下さいね。それから、いつでも私の携帯にご連絡下さいませ。大喜びで出させて戴きます。どうぞ、お大事に。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年9月20日 (木) 03時02分

>望まない妊娠をする女がいなくなった時。望まない妊娠をさせる男がいなくなった時

そんなの、絶対に、とまではいわないでしょうが、おそらく当分はこないでしょう。
それよりも、望まない妊娠をする女、させる男がいても、尚子供の命も、女性の人生の選択権も両方守られる世界を目指す方が、まだ現実的だと思います。
上で書いたことでわかると思いますが、自分は偽善者プロライフはもちろん(特に、本当は赤ちゃんの命とか何も考えていない連中)、プロチョイスも(特に、本当は唯堕胎させたいだけなのに、表面取り繕うためにプロチョイスもどきやってる連中)反対です。保守的中絶賛成論にも反対です(男だけど)。

あと、
>人工中絶は、産んでも育てられない妊娠をしてしまった女性の救済策としてある

というのは正しいのですが、一方でそれは『本当は、男と男中心の社会の秩序維持のために、女の権利を出汁に使っている』面もあると思います。自称『命を大切にする』似非保守で、偽善者のプロライフは、実は単に『男と男中心の社会の秩序維持の為に、中絶の責任をすべて女に押し付け、中絶はフェミニズムのせいだと歴史捏造し、胎児の命を出汁にしている』しているのと、表裏一体だと思います。

もちろん、自分も男だから、責任とりたくないし、好き勝手にセックスしたいです。いざ修羅場になったら、胎児の権利も女の権利も知るか!とっとと堕ろせ!となることは予想していますが、それでも胎児も女も救いたいです。
無論、禁欲や純潔などという、男として耐え難い制約はなしで、ですよ。避妊して、性暴力にならない限り、好き勝手にセックスしたいです。

投稿: abduluzza | 2010年1月17日 (日) 22時39分

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