新閣僚 気が重い
安倍内閣の新閣僚が発表されて、気が重い。閣僚というよりも、首相補佐官の留任だ。教育担当の山谷えり子、新聞を見ても、タカ派、教育再生会議がどうにもならなくて、その無能ぶりが取りざたされたのに留任となったと、書いてある。本当にがっかりだ。でも、無能であっても、安倍首相と考えが同じタカ派で、その意を汲んで動く人が必要なのだろう、と、夫は言う。この人の悪行はだいぶ知れ渡ってはいるけれど。教育再生会議が何をしたか。中教審、これもほめられたものではないけれど、それを放り出して、教育基本法をねじ曲げた。そして、教育三法案をも強硬採決した。これから、教育現場は、ますます大変になるだろう。
特に、性教育については、彼女は本当にひどい嘘、でっちあげを次々と首相に吹き込んで、文科省を動かした。言葉が使えなくなったのも、この人が吹き込んだことが大きい。自民党の性教育のアンケートなるホームページには、「避妊具の使い方を実習して、全国の小学校の保護者から悲鳴が上がっています。」なんて書いていた。私は、全国性教育指導者セミナーで、「小学校でコンドームの付け方を実習している方、または、その様な実習をしている所を知っている方」と呼びかけたが、誰一人として、そんな人はいなかったし、みんなは失笑していた。具体的な証拠のないままに、数々の事をでっちあげたのが彼女だ。
私は、今回の閣僚の入れ替えにかすかな望みを持っていた。彼女が教育担当の補佐官から消えれば、また、性教育にも少しは芽が出てくるかも知れない、と。いくらなんでも、再生会議であんな醜態をさらしたのだから、よもや残ることはないであろう、と思っていたが、本当にがっかりだ。
先日の長崎では、教育委員会の人から「ご相談があります」と言われた。私たちは、性教育が必要であると、十分に分かっています。でも、議会がいろいろと言って来るのです。どのように議会に切り返したらいいのでしょうか、と。私の知っている範囲でいろいろと例をお話したのだが、最近、どこの地方に行っても同じような事を聞く。
が、ある地方では、逆に私から教育長に「大丈夫ですか。議会はうるさくありませんか。そろそろ、性教育もできなくなるのではありませんか。」と聞いたら、「議会に教育内容に口を出させたらいかんのです。議員にはいろいろな立場の人がいるのですから、教育が混乱します。」と、きっぱりと言われて、感激した。そういう気骨のある教育長や校長がいるところでは、性教育も引き続きできる。でも、議会を気にする所では、全くダメだ。
がっかりしたけれど、仕方がない。覚悟を決めて、出来る範囲で、しこしことめげないで続けて行かなければ、と憂鬱なままにそう思う。
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コメント
へえ~。そんな立派な教育長さんもいらっしゃるのですね。少しは捨てたもんじゃないと感激です。
今、パソコン打ちながら、時々窓の外に目を向け、月食見ています。早くしないと月がきえちゃうよ!!って感じですね。何事も。目の前に消えていこうとしているものがあっても、私には手が届かないのです。
投稿: ママ | 2007年8月28日 (火) 20時09分
山谷えり子!!
この人の性教育に対しての発言をテレビで見て
チョット待てぃ!!!!!と突っ込み入れたことがあります
母乳育児を提唱(半ば強制)したのも確かこの人ですよね・・・?
(正式発表は見送られましたが)
確かに母乳育児は大切かもしれませんが
母乳が出ない人もいる
母乳は出るけど止む終えない事情で断乳しなきゃいけない人もいる
こういう状況を知って言ってるのかしら?
強制してどうするの??と思いました
実際に私も最初は母乳の出が悪くて悪くて
かな~り悩んだ一人なので・・・
日記の趣旨とずれたコメントですみません
こんな事にめげず先生は性教育をしていってくださいね!!
投稿: あっこ | 2007年8月28日 (火) 21時28分
山谷さんのことは、大分「北条高時」に引っ掛けて叩いてやったんですが(笑)
それでも留任させたんで逆にバックラッシュは滅亡を早めますね。
そう信じてがんばるしかないです。
俺なんて親のあと継いで医者になれるほど頭がよくないが、金があるからなったんじゃ、とか豪語してる(男性も女性も)議員もいて開いた口がふさがらないことがあります。
官僚政治打破というスロガンが流行りましたが、それに便乗して政治家が官僚以上に悪いことをしている感があります。
いい教育長さんでも、議員が「官僚打倒」などと叫んで引き下ろしにかかる危険があります。
官僚は問題ありまくりですが誰のための改革かで全然ちがいます。
件の教育長さんはなぜ政治家と教育をクッションを置いているか分かっておられます。
警察と教育は政治家が介入したらだめというのが戦前の教訓なんですから。
何も知らずに教育に介入する議員や知事を選ぶ選挙区は天皇陛下(君が代強制には反対)の直轄地にしてしまえ、その方が住民にとり幸せだ、と過激な冗談を私はよく言ってます(笑)例えば日本最大の自治体とか(笑)
投稿: さとうしゅういち | 2007年8月28日 (火) 23時17分
私は1963年生まれですが、私の受けてきた広島県の学校教育は、現在の状況を見るにつけいかに素晴らしかったかを再認識します。この教育のおかげで今の私があることを感謝しています。性教育は私の頃はまだまだ発展途上で、しかしどんどんまともな方向へと進んでいる頃だったと思います。私は今知的障害者の施設の職員です。ハンディのある人たちのために働いているようで、実はその人たちのおかげで、その人たちの愛に包まれて生かされている自分を感じます。広島県の学校教育によって培われた、「いのちを愛し、人を大切にする」ことを柱として生きることが少しは実践できているかな?いつも自分を振り返りながら生きているつもりです。8月18日の中村 哲さんの講演会は大成功に終わりました。アフガンのことを通して、日本・世界への警鐘となるお話でした。その同じステージで、おとぎぞうしが歌えたことを誇りに思います。おかげさまで、尾道市においてはいくらか私たちのことを知っていただいて、今度は尾道市の人権文化会館で9月20日「今憲法を思う。」というテーマで、福山の退職教員の会の林先生の講演の後、歌わせていただくことになりました。
河野先生。私はもっともっと人の心に響く歌が歌えるように日々心と声を鍛えようと思っています。特に心は今の現場の仕事や家族や、私につながる人たちとの交流を通して常に感動したり学んだりして、柔らかく耕していきたいと思います。いつか先生に聞いていただく日が来ることを願っています。それではまたお便りします。
投稿: おとぎぞうし竹本 | 2007年8月29日 (水) 08時24分
河野先生、はじめまして。
読者の諭吉と申します。
失礼ながらTBをさせていただきました。
ご迷惑であれば削除してくださって結構です。
投稿: 諭吉 | 2007年8月29日 (水) 19時25分
同感です。教育再生会議は誰が見ても大失敗。失敗した責任者は更迭するのが普通だと思っていたので、山谷補佐官が留任したことにはとても驚いています。
投稿: 六郎 | 2007年8月29日 (水) 23時16分
ママさま
そう、そんな教育長もいらっしゃるのです。実は今日行った所の教育長もそうでした。これは、いつでもまたブログにかきますね。私も月食、ずっと見てましたよ。 河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2007年8月30日 (木) 18時29分
あっこさま
母乳とセットで、子守歌でした。私の友人は、母乳は出ないし、音痴で歌は歌えないのに、どうしてくれる!と行っていました。本来、かれらは、行政に向かって提言をすべき立場。それを国民に向かってどうするの、と思いました。今日行ったところでも、教育現場では、教育再生会議は全く信用しない、と明言されていました。現場がそう声を上げてくださるといいですね。 河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2007年8月30日 (木) 18時32分
さとうしゅういちさま
警察と教育は政治かが介入したら、ダメ、と言うのが戦前の教訓、というのはいいですね。本当にそうだと思います。でも、今は段々戦前に近づいているとそう実感します。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2007年8月30日 (木) 18時35分
おとぎざうし竹本さま
私の時代だって、広島県の教育は素晴らしかったです。でも、今、本当に変わりました。竹本様、頑張りましょうね。いつか、お会い出来る日を!!河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2007年8月30日 (木) 18時37分
諭吉さま
ブログ、読ませていただきました。これまで、山谷さん達とは、さんざん論争して来ました。もう、何年も。テレビで、雑誌で、本で。そして、私がしている裁判ででも。決して、私たちの仲間だけで話し合っている訳ではありません。私たちも勉強の連続で。その上で、確信を持って私はそう言い切ります。沢山の資料もありますが、これからも徐々にブログでは書いて行こうと思っています。ご意見ありがとうございます。 河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2007年8月30日 (木) 23時30分
六郎さま
コメントありがとうございます。実は、今日行った所でも、教育再生会議は、本当にひどい、と、県の教育長がおっしゃっていました。そして、それを意見書として文科省にも提出している、と。これから、教員の免許の更新制度など、本当に大変で、教育の現場が混乱する、と言われていました。やはり現場はそうなのですね。河野美代子
投稿: こうのみよこ | 2007年8月30日 (木) 23時33分