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日本思春期学会

 昨夜0時を過ぎて広島に帰って来た。東京から新幹線で広島までというのは、少しつらい。本はしっかり読めるけれど、何分にも座席が狭いので、その内、身の置き所がなくなってしまう。おまけに荷物を足下に置いているので、足の置き場もあまり動かせなくて、つらい。

 日本思春期学会の理事会に出席するために長崎からの帰りに東京を回った。思春期学会は30年弱前から続いている。この学会に、初めて演題を出したのが、25年前。当時勤務していた病院のデータから「10代の受診者1000人の統計」という演題で。実際、思春期の子をあまり見ていない大学病院中心の学会で、一般の病院から、このデータをひっさげて登場したのだから、かなりのインパクトがあったと思う。その統計を作る大変な作業と、診療の様子を追いかけたのが、当時の「NHK特集」、今のNHKスペシャルであった。以来、当方に全国から講演の依頼などが殺到することになった。

 それから、ずいぶん経つ。今回の理事会は、もめた。思春期学会として性教育について今後のあるべき姿の提言をすべく、小委員会がつくられている。そのメンバーが大幅に変わっており、しかもそこに学会員でもない東京都の区の教育委員会指導課の人が入っていたのだ。なぜ?「教育の現場を知っている人」が必要だったから、という説明であった。

 教育委員会は、文部科学省の指示をストレートに教育現場に指導する所であって、教育の現場を知って居る訳ではない。特に東京都の教育委員会は性教育については現場との軋轢が大きい。裁判もされている。その一方の当事者を委員会のメンバーとしていたことで、がっかいとしてのスタンスはどこにあるのか、本当に学会独自の提言が出せるのか、疑問である。当然、理事会では次々と意見がでた。この学会は、長老が多い。一番の重鎮は91才。お元気なのは感嘆するが、こと「思春期」になると、、、。このような公の場であまり言わない方がいいのだけれど、でも。

 今の文科省の方針では、「性感染症」を中学生に。避妊は高校で教えるようになっている。私は、避妊は義務教育で教えて欲しいと強く願っているが。教えるとしたがるとの意見でそれは実現していないし、今では教師の独自性は固く禁じられていて、教えると、処分につながる。しかも、「性感染症」を教えるのに、言葉が禁じられている。「性交」「セックス」「エッチ」すべて禁止。「性的接触」と言わなければならない。今時、若者が「性的接触をしようよ」というだろうか。言葉の問題はとても大切で、しっかりと言葉を使うこと。回くどい言葉では、正面からメッセージを伝えられない。と、私は思う。

 忙しい思いをして、東京に行って、出席して良かったなあ、と思いながら帰った。が、またたべものネタで申し訳ないけれど、後の懇親会、一時間で食事をして帰れば間に合うと思ったのだけれど、まず医学部の学生の音楽の演奏があり、その後次々とご挨拶があり、そしてやっと乾杯で。すぐに東京駅に向かい、やっとの思いで新幹線にまにあったのでした。

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コメント

これだけ色々な情報や言葉が氾濫し、子供たちも目にしている世の中であまりにピンとはずれな感じますね。ますます子供たちが心配になります・・・

投稿: working hahaha | 2007年8月25日 (土) 10時28分

私も「性感染症」と「避妊」は共に中学生の時に教えるべきだと思います。なぜかといえば、現実は、もう既に前へ進んでいるからです。「性感染症」「避妊」においては共通の避妊具の重要性があります。どちらが先というのではなく、両方を同時に教えないと意味がないと思います。そこがしっかり若い世代に教えられていないので、日本の若者のエイズや性感染症の発病率は高いと聞いていますが、そうなのでしょうか?文部科学省、教育委員会などその現実を知っているのでしょうか?東京都の教育委員会が思春期学会に入会したのは、不気味な意図があるように思えます。
長旅のお疲れは、とれましたか?

投稿: eastwaterY | 2007年8月25日 (土) 11時17分

性教育に関しての言葉の規制というのは、
一体何のメリットがあるのでしょうか。
そういう規制が必要であると唱えている方は、
おうちでパートナーの方に
「今夜、性的接触でもいかがですか?」なんてお誘いしてらっしゃるのでしょうか。
商売がらみの「性」にまつわることだけが、
どーんと世の中にまかり通っているので、
普通に捉えるのが難しくなっているような気もします。
私は、いずれ時が来たら、
自分の子どもには自分で教えてやりたいと思うのですが・・・。

投稿: Hoch | 2007年8月26日 (日) 16時20分

「STD」も「避妊」も中学校で教えるべきでしょう。なぜなら、高校以上は「義務」教育ではないのです。従って、性教育を高校以上に先送りすれば、学ばずに社会に出てしまう者が出てしまいます。
性の正しい知識を確実に学べるという保障を国家は放棄してはならないと考えます。

投稿: めかちゅーん | 2007年8月27日 (月) 18時41分

working hahahaさま
雑誌や漫画やインターネットなどで、情報はあふれかえっています。それも、間違った情報ばかりが。私は、全うな情報を与えたいのです。でも、禁止する人たちは、その現実を見ようとしないのだと思います。
現状は本当に大変です。  河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年8月27日 (月) 21時50分

eastwaterYさま
日本は、相変わらずHIVの感染率は高いのです。日本ほど、経済的に豊かで、識字率も高い、教育の程度が高い所で、なぜ感染が増えているのか、教育がなぜ出来ないのか、世界の不思議の一つになっているのです。文部科学省が変わらないとだめなのです。本当につらい。だから、私は選挙に通りたかった、そして文科省にいろいろと取り組みたかったのですが、、。
河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年8月27日 (月) 21時56分

Hochさま
言葉の規制は、とても危険な兆候だと思います。それは、戦争への道を振り返っても、歴史が証明しています。私も、親が自分でちゃんとおしえる、そして子どもたちを守ってやらなければ、と思っています。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年8月27日 (月) 22時00分

めかちゅーんさま
本当にその通りなのです。高校だと、高校に行かない子、中退する子はなんにも正確に学ばないまま、性を実行するようになってしまいます。「義務教育の内に避妊を教えて欲しい」これは、私の悲願です。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年8月27日 (月) 22時02分

 タフDr.お疲れ様です。 中々公の学会等では、
型にはまった、堅苦しい、それにお年寄り
現実とは随分かけ離れているようです。私の子は
男三人でしたが、小学校の頃から、性については
自分も大事だが相手の女の子は受身、絶対に
自分に責任を持つよう、避妊のこと妊娠の事
教えたものです。今は三人とも結婚して、嫁が娘の
様に気兼ねなく、ジイジの所に孫達と集まってくれる事が、最高ですね!

 お忙しい先生に今年のアッシ達のイベント紹介
9月26日(水)19;00開場19;30開演
筑前琵琶の演奏会 奏者 田中旭泉
場所 北広島町壬生 教得寺
中々聴くことのない、琵琶と語り、満月の夜を
幻想的にすごしませんか・・・

投稿: yoshijii | 2007年8月28日 (火) 13時45分

yoshijiiさま
お久しぶりです。ホント、学会の偉い人というのは、なんかずれていて変なのですよね。
イベントのご案内ありがとうございます。面白そうで、是非行きたいですね。ただ、診療が済んで間に合うかどうか。何とかしようとは思います。どうもありがとう。これからもよろしくお願いします。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年8月28日 (火) 23時34分

性教育の現場で言葉の規制があるなんてビックリです!
なぜにそんな遠まわしに言う必要があるのでしょう?
教える側が恥ずかしいから?
性教育は恥ずかしいコトなの??
頭の中は疑問符だらけです

性感染症も避妊も義務教育で教えるべきだと思います
間違った情報がインターネットや雑誌であふれかえっている昨今
きちんとした情報を教えなければいけないと思います

少なくとも自分の子供にはしっかり教えなければ・・・と考えさせられました

投稿: あっこ | 2007年8月28日 (火) 23時54分

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