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家族システムの研修

 今日は、朝から私たちの性教育のグループ、「性教協」広島サークルの研修会だった。カウンセラーで、コミュニケーション学「アサーション」の第一人者、森川早苗さんの講義を聴いた。テーマは、「子の心親知らずーシステムとしての家族と子どもの問題」。まず、問題が出される。

「家族は四人。早くして夫を亡くした父方祖母(出しゃばりばあさん)。この祖母に、女手一つで育てられた父(ダメおやじ)、実家が他県にある母(気の強い母)。そして中学一年生の一人息子。その息子が不登校に。」

 この問題をどのように理解するか。参加者それぞれが考え、書く。そして、その問題を、祖母の立場で書いた人、父の立場で、母の立場で、子の立場で、そしてその家族でない、学校の先生の立場で書いた人。と、分かれて話し合う。それぞれの立場で話し合った人が、そのまとめを発表する。私は、当然その他の立場、学校の先生の立場で考えた。日頃、不登校の子や、その家族が患者さんとして来られることがよくある。

 その問題の整理に、今日は、すっごく勉強になった。このごろ、よく家族の中での父権、父親が強くないとダメだと言う人がいる。父親が弱い家庭の子はしっかり育たないみたいに。私なんぞは逆に横暴な父親がいる家庭ですっごくしんどい子を見ているから、父親は優しい方がいいと思っている。

 この問題は、さらにそれぞれの立場で、「誰に何を聞きたいか」「あなたはどうするか」と進んで行く。何かの問題を解決したい時には、みんながそれぞれ動かなければダメだ。森川さんの言葉で残っていることを。

「夫婦カウンセリングをしている時(カウンセリングで夫婦の仲がとっても良くなるのだそうだ)など、お互い、相手が悪いと思っている。そして、相手待ちである。あなたが優しくしてくれたら、私も優しくするわ。と。でも、自分から両方が動かないと」

「コミュニケーション能力について。良く話し合ってて、コミュニケーションを取っているようでも、それがコミュニケーション能力が優れているとは限らない。いつも同じようなけんかをして、いつも同じような結論で終わっている、こんな時。本当に言いたいことと違うことを言っている。こどもが夜遅くまで帰って来なくて、とても心配していて、やっと帰って来た時、どこに行ってたのよ!何をしてたのよ!と。本当に言いたいのは、心配してたのよ、でしょう。夫に対して、何て人なのよ!と言う。本当は、私はさびしいのよ。助けて欲しいのよ。でしょう?」

 そして、家族システム。家族システムも発達している。結婚して夫婦システムの形成。双方の実家と少し離れて、新たな家族としてのシステムづくり。子どもを持つ決心、準備。こどもが生まれて、親役割の適応。養育の為のシステムづくり。実家との新しい関係の確立。中略。子どもが思春期になった時の柔軟な家族境界。私の現場では、ここがうまく行かない、いつまでも子どもは子どもとして介入し続ける親と、とてもそれがうっとうしい子どもとの関係がうまく行かなくってというケース。だから、私も保護者への講演の時、このあたりをかなりしっかり話す。そして、だれかに問題が起こってサインを出した時、家族のみんなが少しずつ変わることによってシステムが発達し、問題を解決するすることができる、と。それから、外部に開かれた家族システム、外部とのやりとりがない閉鎖システムな゛との問題も。

 性教育というと、セックスの仕方を教えること、そんな事はしなくてよろしい、と、とても浅はかな人の妨害で、実際、教育現場での教育は出来なくなってしまっているのだけれど、実際は、人と人とのつながり、コミュニケーションの作り方などとても多くの生き方を含んだ教育なのに。そして、性教育に取り組むものは、常にこうして勉強をし続けなければ。今日は、40人近い学校の先生方が来てくださって、楽しい研修が出来た。私にとっても、本当に身につまされて、充実した学習となって心地良い疲労感に満足している。

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コメント

先日コメントに書いた通り、8月19日に小・中学生の性教育に関するPTAの発表をしてきました。
小学3年生の子を持つ母親の意見で、「どう話していいかわからないです。授業の内容より、実際子供に家庭でどう話せばいいか教えて欲しかった。」とありました。
ホントにそうだろうなと私も思いましたが、それにはもっともっと親であるあなたが今の若者の「性」に関する情報に関心を持ちなさい!とえらそうですが、言いたかったです。
私も発表するために「性」について初めて関心を持った訳ですが、私達親が今の「性」の現状を知らな過ぎると思うのです。
福島県でも、私の住んでいる会津地方が一番人口中絶をする未成年が多いと言われています。(全国でも福島県がワースト?位でかなり悪いです。先生の方が良くご存知ですよね。)
親がいろんな情報と知識を持って、今の性教育に関することを勉強しなければならないと痛感しています。
私自信はといいますと、小学4年生のとき、母親から「性交」のことを聞きました。どんなことをすれば子供ができるのかということを実際に母親から説明されました。
初めは「えーーーーっ!!」と絶句でしたが、自然に心に浸透しました。
中学の時に、友達にセックスのことを聞かれて説明したら、びっくりされてしまいました。
当の私もびっくりです。だって中学生なのに知らないんですもん。
私は知っててあたりまえだと思ってました。
ですが、知らないのがあたりまえだったんですね。(笑)
今になってみると、うちの母はスゴイ人だったんだ!と思います。
私の娘も小学5年生になりました。この前、娘に「セックスって何?」と聞かれました。
思わず「・・・」となりましたが、すぐに母のことを思い出し、「う~ん、虫って自分達の子孫を残すために交尾ってするでしょ?人間だってするのよ。じゃなきゃ赤ちゃんできないもんね?だから、虫でいうところの交尾。人間はセックスっていうかな。」と話しました。
すると横にいた中学2年の長男が「セックスって男性、女性の性別の意味もあるんだよ。」と妹に教えてくれました。
長男にはセックスについて話したことはなかったけど、友達同士で話してて、悪い意味じゃなく、きちんとしたこととして頭には入ってくれていたようでした。(ホッとしました。)
まだ、下に小学1年の次男がいますが、やはり男には男、ということで、父親と長男から話してもらおうかな?と思っています。
ちなみにうちは、じぃちゃんもばぁちゃんもいる7人家族です!(プラス柴犬のポチ♂)

投稿: らむ | 2007年8月27日 (月) 12時34分

河野さんの仰っている性教育「人と人とのつながり、コミュニケーションの作り方などとても多くの生き方を含んだ教育」という考え方は、10年前に村瀬幸浩さんの『ニュー・セクソロジー・ノート』により知りました。一般的に考える性教育の捉え方と大きく異なり、目からウロコの体験をしました。村瀬さんは、その著書に「性を学ぶとは”関係”として性を考えることである。そのためには、自らの性のみならず相手の性もよく理解し、望ましい関係作りをする力を身につけることである。この点で"自身の性”から"関係の性”へとは、"別生の性”から”共生の性"へということと同意である」と書いておられます。また、著書の最後には「真の共生は、どちらかの抑圧と不自由の上に成り立つものではない。そのためにも、生と性をめぐるコミュニケーションが不可欠である。説得と妥協によってではなく、理解と共感をベースにした抑圧と攻撃のない共生。私たちはいま、そうした大きな人類的課題の前に立っているのである」。村瀬さんのこの考え方は、私に大きな影響を与え、多くの人にも伝えています。河野さんも"人間と性"教育研究協議会の理事をしていらっしゃるとのことなので、「さもありなん」と思いました。

投稿: eastwaterY | 2007年8月27日 (月) 17時53分

ブログから美代子先生の1週間を追ってみました。
20日(月) 休み キムチ鍋(2日目)
21日(火) 休み 首相に怒る
22日(水) 診察・裁判打合せ・博多泊
23日(木) 長崎 講演
24日(金) 東京 思春期学会理事会
25日(土) 0時過ぎ広島着 診察
26日(日) 「性教協」広島サークル研修会
27日(月) 性教育バッシング広島裁判

美代子先生、お元気ですか?
明日はゆっくりお休みください。

投稿: うららさん | 2007年8月27日 (月) 18時25分

らむさま
発表、お疲れ様でした。どう話せばよいのか、ということですが、子育ての中で、子どもの疑問、質問に正面から、おめめを身ながら、逃げない、ごまかさないで本当のことをきちんと答えてあげる、それで十分なのです。難しく考える事ではありません。只、大人の方が、性をいやらしいこと、恥ずかしいこと、隠さなければならないことと捉えていると、これはこたえられませんね。「性は、とても大切なこと、そしてとても素敵なこと」と捉えていれば、ちゃんと答えられるのではないでしょうか。いつか、子育ての中での性教育というお話をさせて戴くといいのですが。また、ブログにも徐々に書いて行きますので、時々は読んで下さいませ。  河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年8月28日 (火) 22時25分

eastwaterYさま
ニューセクソロジーノート、どうしてお読みになったのですか。そして、あなた様はどちら様なのでしょうか。もうびっくりしています。村瀬先生は私の性教育の恩師です。一緒に本も出していますし、先日の思春期学会の理事会での性教育委員会に教育委員会の方が入っている件、まず口火を切ったのが村瀬先生で、私も後押しをしました。来年の二月にも村瀬先生を迎えて、シンポジウムをしますので、ぜひいらっして下さいませ。とてもうれしくコメントを読ませて戴きました。ありがとうございます。  河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年8月28日 (火) 22時33分

うららさま
ありがとうございます。つい、笑ってしまいました。大丈夫ですよ。私は忙しい方がいいのです。私は暇だと、落ち込みそうですから。これからもブログ、読んで下さいませ。河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年8月28日 (火) 22時35分

実は、私は47歳で社会人入学制度で大学で教育学を学習し「高齢化社会における女性の自立」をテーマに卒論を書いたときに「ジェンダー」に目覚めました。その後母校に勤務し、60歳で定年退職後、広大大学院教育学研究科に進学し、「成人の学習と意識変容に関する研究」をテーマにジェンダーの視点で意識変容を研究しました。大卒後は、仕事をしながらジェンダーや女性の自立をテーマとして講演活動をしてきました。一時は、小・中学校の人権教育の中でジェンダー・フリー教育の必要性を先生方に講義をしていましたが、最近は教育委員会の関係でしょうか(?)講演依頼はありません。その当時、先生方は「目からウロコ」と言われてていたのに・・・と人権教育が後退してしまったことを残念に思っています。今回の「日本女性会議2007ひろしま」では、女性の自立、また男女が共生して行くためには、キャリア教育の推進の必要性を感じ、分科会:キャリア教育で実行委員をしています。講演活動をしていく中で村瀬先生の本に出会い、あちこちでこの考えを話しています。来年先生を迎えてシンポジウムがあるとか。ぜひぜひ、夫と共に参加をしたいと思っています。そういえば、兵庫県三木市の保健師赤松彰子さんの講演も何度も聴講しています。この方も"人間と性"教育研究協議会のお仲間なので、河野さんもご存知だと思います。エネルギーに溢れた方ですね。

投稿: eastwaterY | 2007年8月29日 (水) 00時12分

eastwaterYさま
そうだったのですか。良くわかりました。わたしも女性会議では講座を一つ持ちます。その時にはお話できますね。村瀬先生を招いてのシンポジウムは、このブログでも皆様に呼びかけますので、ぜひいらっして下さいませ。とにかく、めげないで、地道に継続して行くことが大切、と思っています。今後とも、よろしくお願いします。  河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年8月30日 (木) 23時45分

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