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男女共同参画

 前回の続きです。三井さんの解雇に大いなる働きをした豊中市の市会議員は、今回の選挙で落選したとのことだ。メーリングリストでは「落選、おめでとう」の言葉が飛び交った。この三井さんの不当解雇の裁判について、大阪のテレビ局で子育てをしながら頑張って仕事を続けている若い女性の記者がルポをした。私は何回もそのビデオを見たが
「女には女の役目がある」「こどもを産み育てる事こそ女の仕事」と、何はばかることなく、彼は発言している。一見、社会に受け入れられそうな発言であるが、この論がこれまで、どれだけの女性を苦しめて来たことか。なによりも、こどもを産まない女性を傷つけた。それは、不妊でどうしても出来ない人と、みずから産まない選択をした女性の両方を。

 以前このブログで話した長崎で講演をした筑波大学の教授は、同じ講演の中で、「少子化の時代、女がこどもを産まないのなら、男は二号、三号にこどもを産ませればよい、そのためにこそ助成金を出すべきだ」「「産む能力を失った40を過ぎた女はただの肉のかたまり」「女に物事を判断する能力はない」とまで言っている。(この人の書いたパンフレットが広島のPTAの会で大量に売られた。)この教授が日本の憲法を変えよとか、核武装せよとか、アメリカの銃社会は素晴らしいとかの発言をしていることからみても、右派、ネオコン、好戦論者ほど女性をただの「こどもを産む機械」として見ていることがわかる。柳沢発言は、「いい人」であるはずの大臣が、つい口をすべらせたのではなく、その本質が露呈したに過ぎないと思う。

 女性はこどもを産み、育てながら仕事をしては行けない、こどもがかわいそう。お母さんの愛情たっぷりのこどもを育てないと。と、このような人達の意見が多数派である限り、少子化は改善しないであろう。

 私は、女の産婦人科医が必要だと思った。でも、その仕事のあまりの厳しさに、何度辞めようと思ったことか。まだ産休や育休なんて整備されていないころだったから「まあ、ひまなんだろうから、働きなさい」の当時の教授の一言で、生まれるまで働いた。産後は、まだ一月しかたっていないのに、「麻酔科のローテーションが入っているから」ということで、仕事に出た。二人目こそ、産休を取ろうと思っていたら、その前に早産してしまって取れなかった。保育所は五時半までだから、保育の専攻の学生二人に来てもらって、ベビーシッターをしてもらった。当然、お金がかさんだ。こどもを抱えてアルバイトもできず、大学病院でのわずかなお給料の倍保育料がかかって、経済的には本当に厳しかった。

 そんなこんなで、とてもつらくとも何とか仕事を続けて来たが、これからの若い人にこんなことを強いることば出来ない。当然、こどもを産まない選択をするか、産んだ後、仕事を辞める選択となるだろう。すなわち、子育ての経験をつんだ女性の職業はなくなってしまうということだ。

 性教育の目指すものは、自立した男女が、共に生きること。基本は「一人でも生きられる。二人で生きるともっと楽しい。」ということで、これは、ネオコンの立場からすると、とても都合が悪い教育なのだろう。だって、彼らにとっては、家事がさっぱりできず、一人では生きられない男性と、経済的に自立出来ない故に、一人で生きられない女性の組み合わせが一番理想だということなのだから。男女共同参画をつぶすのと、性教育が出来なくするのと、やはり同じ勢力である。単なる右派、ネオコンと、それにある宗教がからんで、日本でも、とても大きな勢力になっている。考えただけでも、腹立たしい、憂鬱な事である。

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コメント

はじめまして。
産婦人科のような「利用者はほぼ女性」の場所だと、男性の医師より女性の医師の方が打ち解けやすかったりしますよね。男性の医師が当たり前のように多いので…「あそこの病院の先生は女の人よ」なんて情報が特ダネのように扱われている現状って、よくよく考えると残念な現象ですね。
働く女性を応援!とか、少子化対策!とか声を荒げて論じている内容ほど、あまり新しいことを叫んでいないような…もっと別の視点で見て欲しいと考えされられました。

小児科や小児歯科なんかにも、もっともっと女性の先生が増えてくれたらいいのになあ…。

投稿: なー | 2007年4月25日 (水) 16時23分

私も結婚していない。子どもがいない。という理由で、悲しい思いをたくさんしてきました。好きで結婚しない訳でもないし、子どもだってほしいのに…。最近は精子バンクで出産した女性の気持ちも何となく解るなあと考えています。
 人にはそれぞれ生き方や事情があって、それを認め合わなければならないのに…。結婚、子育てのしんどさや、苦しみをわかろうと努力はしているのですけどな。まあ反対を言えば、結婚していない、子どもがいない=私たちの気持ちなんてわからないでしょ?という気持も認めなきゃならないのかな?なんて。でもやっぱり、「早く結婚して、子どもを産んだら見えてくるものはたくさんあるよ」とか「子どもも産んだこともないくせに、生意気なことをいうな」なんて言われると、悲しいし、しんどい。私だって妊娠、出産の喜びを味わいたいよ。でも、今は無理なんだってば!!気安くお見合いでもすれば?なんて言わないでよ!って心の中で叫び続け、笑顔を作る練習の毎日…。

投稿: ララ | 2007年4月25日 (水) 21時31分

久しぶりのコメントです。
私も出産を機に仕事を辞めました。
かなり悩んだのですが、私が勤めていた会社は有給もなかなかとれず、定時で帰れることはほとんどなく、子供がいるからといって特別扱いはしてもらえません。
子育てが落ち着いたからといっても、正社員で働くのはもう無理でしょうね・・・パートになると思います。
男性でも、育児休暇はとれるはずなのに、とっている男性をみたことがありません。
もっと、仕事と子育てを両立できる社会になってほしいなと思います。

投稿: いおママ | 2007年4月26日 (木) 08時14分

「肉のかたまり」という言葉にムッと来て、
真面目にダイエットに取り組むことにしました。
ありがとーよ、プロフェッサーN!
(と、たたきつけるように言い捨てる)

それにしても、「同じ部屋で着替え」というような、
「あるわけないじゃん!」的デマを広めている人達が、
そんなに大きな勢力になっているとは。
人はそれぞれ、いろいろな考えを持つ自由はあると思いますが、
自分の主張と相容れない考えに対して、
あり得ない作り話で誹謗中傷するのも暴力のうちに入るのではないでしょうか。
悲しいです。

投稿: Hoch | 2007年4月26日 (木) 08時21分

なーさま。
はじめまして。コメント、ありがとうございます。
そうですね。もっともっといろいろな所で女性に活躍して欲しいと思います。が、本当に現状は厳しくて、仕事か、子育てか、二者択一になること自体がおかしいと思うのです。でも、もう、私が子どもを産んだ時から30年経つのに、状況はさっぱり変わりません。
これからも、よろしくお願いします。
          河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年4月26日 (木) 10時17分

ララさま、
コメントありがとうございます。
人は、みな、それぞれ。それぞれの出逢いの中で、それぞれの選択をしながら生きているのです。どんな状況にある人でも、生き生きと生きて行けるような、そんな社会でないといけないと思っているのです。今ひどく逆風が吹いていますが、でも、ねばり強く頑張らないと。ララさまの人生は、その分、仕事に生かされているのだから、私はララ様に接する人はとても幸せだと思っていますよ。また、ブログ上でお会いしましょうね。     河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年4月26日 (木) 10時23分

いおままさま、
お久しぶりです。そう、お仕事やめちゃったのですか。育休かと思ってました。うーん、ちょっと残念!!でも、本当に仕方がないのですね。社会が仕事と育児が両立出来るように名ってないのだから。一体、いつになったら、と思います。また、赤ちゃんに会わせてくださいね。
          河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年4月26日 (木) 10時26分

Hoch様、
わあ、Hoch様は、N教授の名前をご存じなのですね。どうして?こんなことを知ってくださる方がいるだけでも、心強いです。宗教は、お金をもっています。人数は少なくとも、お金があって声の大きい人たちに社会が翻弄されてしまっているのも事実です。
桜○淳○さん達の合同結婚式で結婚したカップルには、沢山こどもが生まれています。そして、全国の学校に入学し、親たちはPTAで大活躍をしています。それは強い力をもっています。というようなことも、知られていないのですよね。これからもよろしくお願いします。     河野美代子

投稿: こうのみよこ | 2007年4月26日 (木) 10時38分

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