どうも大人がおかしい
昨日土曜日は、連休前だからか、患者さんが多くて、本当に大変だった。午前中の診療が終わったら、4時半。全く患者さんを待たせてしまって申し訳ない。こちらも昼ご飯抜きで頑張ったのだけれど。で、患者さんが多いと、いろいろな人がいるのもそうなんだけれど。前回のブログの続きで、最近、気になる患者さん達のことを。
まず、この場合は20代の大学生が圧倒的に多い。避妊しないでセックスをしたので、妊娠が心配だから、との来院。アフターピルを求めての来院だけれど、アフターピルというのは、本来はレイプされたとか、コンドームが破れたとかのハプニングが起こった時に出すもの。身体的に吐き気などとても強いダメージを受けるから。それでも、レイプされ、妊娠、人工中絶という二重三重のダメージを少しでも軽減させるためにあるものだ。「避妊しないでセックスしたから、薬を下さい。」と、まるでそれが避妊であるかのような使われ方はしてはいけない。大学生同士で、どうして避妊をしないのか。「めんどくさかった」と。でも、妊娠したら、どうするの?「中絶します」避妊するよりも、中絶の方がいいの?「セブンイレブンでもポプラでも、どこにでも売ってるのだから、買いに行かせなさい。」「いいか、コンドームもつけないでセックスをするというのは、マナー違反。失礼な男だと知っておきなさい。あなたもちゃんとつけてくらいのことは言わないと。自分の体でしょ。」で、結局はアフターピルを出す。でも、条件がある。アフターピルは、一回限りのもの。これからの避妊をどうするのか、ちゃんと彼氏と話をして。もし、不安なようなのなら、自分で低用量ピルを飲んで防衛することも考えて、と、低用量ピルのパンフレットを渡す。
20代の女性。相手の男性は30代。妊娠している。でも、産めないと。なぜ?結婚してません。したら?そしたら、「まだ付き合い始めたばかりで。よく彼のことも知らないし。」この答えを最近とてもよく聞く。「つきあい始めたばかり」と。「ねえ、まだ良く知らなくても、セックスをするの?付き合うというのは、即、セックスもすることなの?それも、避妊もしないで。」「彼はどう言ってるの?」「まず産婦人科に行って、ちゃんと確かめてから考えようと。」「妊娠反応が出た時点で妊娠はしているのよ。考えるのを後回しなんて、逃げじゃないの?はじめから考えなさい。セックスする前から。いいか、セックスというのは、妊娠する行為なんだよ。」そんな彼女たちも、超音波の診察で胎児の姿を見ると、決まって泣き出してしまう。
お腹が痛いと来た人は、母子家庭で頑張っている。セックスは長い間していないと。でも、超音波で見ると妊娠している。私は別に、独身の人はセックスをしてはいけないなんて怒ったりはしないよ。でも、事実を言ってくれないと、誤診の元になるからね、ホントのことを言ってよね。彼女もとても産めないという。でも、彼の意向を聞いて見ないと分からないじゃない。避妊をちゃんとしてないのだから、彼にだってそれなりの覚悟があるのかもしれないし。とにかく、しっかり話をして、一月以内に結論を出してね。
あんまり来た患者さんのことをあれこれ話すことは良くないこと。だから、複数の人たちの例をミックスしている。産婦人科の現場は、決して若い人たちだけが大変なのではない。大人達も大変なのだ。性教育をしてはいけないという人たちに、生徒のうちにしておかないと、何もちゃんと学ばないまま大人になった人たちこそ(男も女も)大変なのですよ、そして、その負担はひたすら女性の心と体にかかってくるのですよ、と、それが言いたいのです。
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